第7章【陰陽師編】

プロローグ:代理神と特別課題

◇理映side◇

「理映様~こちらの整備おわりました~」


コンソールを弄る僕の元に間延びした声が届く。


「ありがと~その依り代、どんな感じだい?」


声の方を向くと、耀ちゃんによく似た顔がこちらを伺っている。


「はい~、問題はありませんよ~神力も十分です~」


「それじゃあA-01=アマテラス、君にはこちらの世界を少しの間任せるね、他の子達とも協力して異常が無い様に注意してね」


「はい~、それではいってらっしゃいませ」


「あぁ、それと。もし何かあれば優希君を頼ってね。その為に連絡取れるように伊勢に居てもらうから」


「かしこまりました~」


まぁ、優希君へ手紙も送ったし、大丈夫かな?


少し不安になりながらも、僕は年に一度の総会の為に別の世界へと飛び立った。



◇◆◇◆◇◆◇◆

◇優希side◇

三月を迎え、期末テスト終わり、後は春休みまで半月となった放課後、蔵間先生に呼び出され談話室へとやって来た。ここは理事長や教員が家族や業者の人と話をするスぺースである。


「という訳で優希君、京都に行ってもらいたいのだが大丈夫かな?」


巴のお父さんであり代議士の方厳ほうげんさんが口を開く


「はぁ……京都ですか、良いですけど何でですか?」


アミリア達の世界から帰って来て約ひと月、春休みまで半月を切った所だ。


「これは先に君が知るべきなんだけど、君の出席日数と実習単位が足りないんだ」


「え? 出席日数? それって進級に必要な?」


「あぁ、そうなんだ。理事長経由で僕の元に送られて来てね。このままじゃ進級が危ぶまれているんだよ」


「マジですか……」


そして隣に居た蔵間先生も口を開く、体調悪そうだけど大丈夫かなこの人……。


「マジだぞー、上凪は1月から1ヶ月分休んだだろ? それで授業の方もかなりの遅れが出てるからなーこのままじゃ春休みの間ずっと補習だ」


「えぇ、それは困るんですが……」


こっちに帰って来て初めての春休みだ、皆と遊びにも行きたいし。異世界での仕事もある。


「まぁまぁ、それのフォローという訳じゃないけど。京都にこの学校の姉妹校があってね、そこに在籍するとあるパーティのスキルアップを目指して欲しいんだ」


「それって、とあるパーティですか?」


「うん、そのパーティは旧華族でね。少し巴も関係しているんだけど。それは置いといて、それなりな身分の人達だから適当な人は宛がえないからね」


鞄から姉妹校のパンフレットを出してくる


「えっと……俺一般家庭ですよ?」


「いや、上凪の家は逸般いっぱん家庭だろ……お姫様に財閥の御令嬢が輿入れしてるんだ。それを普通とか言うか?」


いやまぁ、確かにちょっと特殊だけど……俺は根っからの庶民で……。


「おい上凪、お前何根っからの庶民みたいなこと言ってる……最近買った高い物を応えろ……」


最近買った高いもの……最近買った高いもの……。


「スマホ5~6台とパソコンも同じくらい?」


全部アミリア達の達の為だ、全部で100万近く飛んだけど……。


「その感覚がもう、庶民じゃ無いぞ……」


蔵間先生がため息をつく……。


「まあまぁ、優希君の成金生活は置いといて。普段からお姫さまや高位の人達と付き合いのある君は、今回のお話にうってつけだったんだ」


「まぁ、上凪の場合、勉学は元々上出来だったからな。特例措置の特別実習として処理させてもらう」


蔵間先生がテストを返してくれる、一昨日終えたばかりだがもう採点が終わってたのか……。


「いーや、ウチのクラスだけ特別に先に採点してもらったんだ。現段階での総合順位はおおよそ8位、休んだとはいえ凄いな。上にはお前の嫁達が全員入ってるんだがな……」


「それって、エアリス達も?」


「あぁ、姫様達もだ。というか1位だ」


テスト対策で、エアリス達が一番難関になるであろう英語の為。ここ最近家ではほぼ英語で会話してたけど……凄いな……。


「まぁ、全教科満点が1人で、水城は896点、ユフィリールは898点だからな、まぁウチの学校の平均点が高いのはお前達が原因だけどな……」


そんな蔵間先生の褒め言葉なのか皮肉なのかわからない言葉を聞き流しながら方厳さんに向き直る。


「わかりました、期間はどのくらいですか?」


「うーん、一応2週間となっているよ。そのパーティが合格基準を満たせれば早めに切り上げられるね」


「わかりました」


うん、2週間で頑張ってもらおう……内容によるけど結構大変だろうからスパルタで行わないと。


「ありがとう、出発はいつ頃にするんだい?」


「いつからなら、大丈夫ですか?」


「うーん、先方も早くが良いと言っていたからね、今日の最終の新幹線で向かうかい?」


「そうですね……お願いします」


「わかった、頼んだよ。それと他の皆も行くなら早めに言ってくれ、手配をするから」


「そうですね、皆に聞いてみます」


アミリア達も少しは日本語出来るようになったし、連れて行ったら楽しめるかな?


「あ、そうそう、俺の方からお前達には居ない間の授業を纏めた課題も出すから忘れない様にな~」


「わかりました……お手柔らかにお願いします……」


そう言うと、蔵間先生は「わかったと」ニヤニヤしながら言うのだった。



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作者です。

8章は舞台が関西に! 作者は関東民なんで……言葉や言い回しが上手く出来るか不安ですが……間違ってたら言って下さい!


【ファンタジー長編コンテスト】へ出しております!読者選考期間も終わりまして中間突破が出来ればと思います!


203万PV超えました!!ありがとうございます!

毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!

読んでいただける方には感謝しかありませんが!!


♡も3万7800超えました!!毎日ありがとうございます!!

☆も1237になりました!感謝!!

感想も新規ブクマもありがとうございます!!

気付いたらブクマも5580超えました!! 感謝!!

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