第38話:ちゃんと向き合いなさいよ!

突然輝いた結晶の眩しさに目を細めていると、懐かしい声が聞こえた。


「そうねぇ……優希はこういう時ヘタレるのよね……」


「え? あ? え?」


「そうですね……私達の時も勢いで押し切りましたし……」


「でもそのお陰で恋人になれたじゃん!」


「まさか……」


「とは言っても、声だけなんだけどね~」


「あはは……それでも嬉しいよ。耀、春華、冬華!」


「え? ヒマリさん! シュンさん! フユさん!」


「ヒマリ・シュン・フユ?」


「あーそれは偽名よ」


「偽名だったんですか!?」「何で偽名……」


「まぁ、正体を明かすのはもうちょい先かな~って思ったんだけどね……」


「お兄ちゃんがまーたうじうじしてるからね~」


「喝を入れに来たんです♪」


「怒ってる?」


「いえいえ、私達が好きになった理由を否定されている気がしたのでムカッと来ただけです♪」


「あはは~春華ちゃん、落ち着いて」


「そ、そうだよ! おにーちゃんの事だからまた何も考えないで言っただけだよ!」


「むぅ……優希さんまさか忘れてたんじゃないですよね?」


「えっと……すみません……」


「フフッ……フフフフ……」


「駄目! 駄目だよ春華ちゃん!」


「春華だめぇ!!!」


宝玉の向こうでどったんばったんやってる、確かに忘れていたのはかなりの重罪だ。


「ねぇユウキ、貴方の奥さん達って皆あんななの?」


「いや、春華は普段大人しい子で凄く良い子だよ」


「それがあそこまで怒るって……」


「だから、今度会ったら謝らないとなぁ……」


「そうね、それが良いと思う」


◇◆◇◆◇◆◇◆

「それで、優希は何に悩んでるのよ」


「えっと……なんとなく解決したよ、春華と冬華のお陰で」


「「え?」」


「しっかりと受け止めて、しっかりと共に歩けるように考えればいいだけなんだよね」


「おにーさん……」「おにーちゃん……」


「うん、それに耀がこの場に居たら、また尻を蹴られるとこだった……」


「蹴らないわよ!」


「でも背中は押してくれるんでしょ?」


「そりゃね、優希が悩んでるなら蹴っても殴っても背中を叩いてあげるわ」


「それに春華も冬華も俺を支えてくれるし」


「そうですね!」「モチロン!」


「だったら悩むことは無いな!」


そう言うとアミリアが眩しそうな顔をする。


「良いわね、そんな関係」


「「なにいってるんだ(の)? これからアミリア(ちゃん)もその一員になるんだから」」


向うに居る耀と思わずハモる。


「「「え?」」」


今度はアミリア含めた三人でハモる。


「おー綺麗にハモった……」


「しかも二回……」


「「「あはははは!」」」


思わず笑ってしまった。


「いやーまさか優希とハモるとは」


「ホントだよ」


「じゃあそういう事だから、アミリアちゃんこれからよろしくね」


「へ? えっ?」


「それと優希、リリアーナさんとセレーネさんと話し合いなさいよ」


「いや、リリアーナさんはわかるけどセレーネは何で?」


「「「「はぁ…………」」」」


4人に長い溜息を吐かれてしまった。


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから皆との話が終わり、宝玉をアミリアに渡すとアミリアも考えたい事があると言っていたので解散となった。


それから3日後の夜俺はリリアーナさんと夜の庭園に出ていた。


ノクタールさんに話し合いをする場所はどこが良いか聞いたら、本来今の時期咲いていない魔薔薇の庭園が良いと教えて貰った。


「綺麗ですね……」


「えぇ……この魔薔薇は本来、年に一度だけしかも数日間のみ花をつける特殊な薔薇で、周囲の魔力を貯め込んで花開く特殊な花なんです」


「そうなんですね、でも何でこの時期に咲いてるんですか?」


「それはですね、カミナギ様が我が城にいらしているからですね。つまりカミナギ様の魔力で咲いてるんですこの子達は」


リリアーナさんが魔力を込めた手で触ると蒼銀そうぎんの薔薇が純白に変化していく。


「面白いですね、魔力に応じて色を変えるんですか……」


「はい、そうなんです、いつもは白かお父様の魔力に反応した赤色なのですよ」


「そうなんですね、へぇ……俺の魔力ってこんな色なんですね」


「カミナギ様の魔力はとても綺麗ですからね、複数の色が混じり合っているのに体から生み出される魔力は美しい蒼銀色となっていますの」


「魔力が見えるのですか?」


「えぇ、元々吸血鬼は自分の伴侶を見つける為にその目は少し特殊なのです」


瞳孔が大きく開き白目の部分が赤く染まる、ノクタールさんと違って目に魔力が宿って光っている、厨二心くすぐられるなアレ……。


「と、まぁ。まだ私は未熟で使いこなすことが出来ないのですが……」


「そうなんですね、でもカッコいいと思いますよ!」


「あらあら。そう言っていただけるのは嬉しいですね」


そう言ってる間に、庭園の中央部分までやって来た、パーティ等が出来る様にか少し開けている。


「それで、カミナギ様。私を呼ばれたという事は、お決めになったんですね」


「ええ、決めました」


「わかりました……」


そうしてリリアーナさんが指を鳴らす、その瞬間周囲の魔薔薇からリリアーナさんに魔力が集まって行く。


「ちょ!? リリアーナさん!?」


「カミナギ様、貴方様に認めて貰う為、貴方と共に歩む為! 私の覚悟をお見せします!!」


魔力より生み出した蒼銀のドレスを纏い、いつの間にか握った深紅の剣を手に持ち駆け出してきた。


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作者です!

寝落ちして遅れました!すみません!

日付変わったんで今日ですが、昼か夜にもう一話出しますね!


145万PV超えました!!ありがとうございます!

毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!


♡も3万1800超えました!!毎日ありがとうございます!!

☆1100超えました!!感謝!!

新規ブクマもありがとうございます!!

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