あぁ堕ちてゆく。その先に辿りつく答えは――

俺はとある夢というものを見ていた。昔にあった夢。その全てが自分の手で誰かを殺してしまう夢。あるときは雷で同時に三人ほど殺してしまったり、あるときは大好きだった誰かの首筋に噛み付いて、血を吸ってしまい殺してしまった。


その感触は今でも俺の中に残っている。いやその感触が俺を手放してくれないとでもいうべきか。とにかく俺は夢の中で1000人程を殺してしまっていた。それも自分の意思ではない。誰かによって

殺してしまう。


その先に辿り着いた化け物を待っていたのは―――俺が誰かに殺される夢。


坂上さんに。翼に。姫奈さんに。母さんに。顔も知らない誰かに。


殺される。殺される。殺される。コロサレル。コロサレル。コロ、サレル?


化け物は思い至ってしまった。


コロサレルならコロシテシマエ。コロセ。コロセ。コロセ。コロセ。コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ

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まずは一人。首をかっきる。即死だった。


二人目。心臓に剣を突き刺した。即死だった。


三人目。大事な人の顔をした何かに出会った。無性にむかついてしまった。頭に剣を投擲した。即死だった。


これ以上に縋り付いて来るナよ。僕に向かって慈愛の目を向けるナ!!

ソれ以上ボクニ近づくナ!!殺シてシマう。






お願い。お願いだから。僕をほっといてよ。


化け物は気づいてしまった。


自分は孤独だということに。

自分の周りには誰もいないことに。

独りってこんなにも悲しいことに。


今度は。

今度こそは。


これは語られることのない神話の一部。

そこに僕は囚われる。

あぁ。






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