第40話 異世界スロ〇〇ライフ ①

僕は今日もパチスロに全財産をつぎ込んで一文無しになった。

ブラック企業で働いて身も心もズタズタになって辞めて来た。

もう2度と働きたくない。ということで、パチスロにすべてを

賭けてすっからかんになってしまった。

人生に絶望した僕に更なる不幸が襲った。

居眠り運転の大型トラックに跳ねられてしまったのだ。

薄れゆく意識の中で(これで異世界に行けるのかな。異世界

ではあくせく働かずにスローライフ出来たらいいな)

(毎日パチスロして生活したいなあ)と願っていた。


気が付くと、知らない部屋の知らないベッドにいた。

身体はどこも痛くない。というか、すこぶる快調だ。


「おや、気が付いたようだね」

知らない老人がスッとあらわれて言った。

「ここは君が死ぬ前に望んだ異世界だよ。さて、早速

パチスロしょうか」

するとベッドのわきにパチスロが現れた。

「この部屋が君がこの世界では暮らす家の部屋だよ」

窓ガラスの外は家庭菜園みたいな庭だった。

ここはネット小説の異世界フアンタジーのように、

中世ヨーロッパのような文明で、魔物もいる剣と魔法の世界

らしかった。


老人が言った。

「毎朝1度このパチスロを回してその日の行動を決めるとよい」

老人はコインを僕に渡した。1年分で365枚有った。つまり

1年は365日だということだ。

コイン1枚で、100回転回せるようで、毎回目押しして

赤、青、白、黄色、金色の5色の7の字を揃えることにより

7の色によって様々な特典が得られるらしい。例えば金色が

揃うと、スーパービックで1年遊んで暮らせる金額の貨幣が

与えられるのだとか。他の色については実際に試してみると

良いだろう。と老人は言った

「我が名はウイッシュ。願いを叶える神様じゃよ」

「僕にこの世界では生きていける能力があるのでしょうか?」


「そうじゃのう、この特別なコインでパチスロを回してみると

良い。特別な色の7が揃えば、君の能力が示されるじゃろう」

「はい、回してみます」

「うむそれじゃの元気で暮らせよ」

神様ウイッシュ様は消えた。


どうやらウイッシュ様は僕が死ぬ間際の願いを叶えてくれたようだ。

目指せスローライフ。

僕は特別なコインでパチスロを回した。


 続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る