第19話こんなに甘やかされていいの?

「今日はもう寝よう。日にちもすっかり変わっている」

「そうだね」

と僕は体を起こす。

「じゃあ僕は自分の部屋に戻るね。僕の荷物がある部屋ってどこかな?」

「わらわ、せっせと働いているから主様の部屋どこにあるか忘れてしもうたわ」


「え!?」

「大丈夫。カズヤくんとミコトの部屋は私の両隣って聞いたよ」

じゃあどっちかに行けば寝ることができる!

「でも、ランプは置いてないぞ?シンプルに準備し忘れた」

「え!?」

死活問題だ。僕は真っ暗だと怖くて眠れない派だから。

「どうしよう…」

正直エクシア姉さんの睡眠の邪魔をしたくない。でも多分怖くて寝れなくなるだろう。


「カズヤくん、一緒に寝よう?」

「え…いいの?」

「もちろん!なんなら…」

「待て待て。エクシア、これ以上言ったら主様に嫌われるぞ?」

「でも、カズヤくんももう成人してるんだからそろそろ大人というものを教えてあげないと」

「お主も言うほど大人ではなかろう。不安でしかないからわらわも一緒に寝る」


ということで

「やっぱりカズヤくんは抱きしめがいがあるよ」

「そうだな。まぁ抱きしめるというより抱っこだがな」

「姉さん達、そんなにくっついたら寝れなくなっちゃうよ?」


僕だって前世は男子高校生だったんだ。だからこんな綺麗な2人のお姉さんに抱きしめられたら反応しないわけが無い。


僕は頑張って抑えて眠りについた。


朝起きると、

横にはエクシア姉さんの寝顔が見える。

エクシア姉さんは美人だ。前世で言うとミスコンで優勝できる。確実に。

そんな人から

《大好きな人だから》

一昨日に言われたことをまた思い出して恥ずかしくなる。


前世で友達が僕の目の前で告白されたから分かる。これは家族のlikeじゃない。ガチのLoveだ。


僕はその時、生きることにいっぱいいっぱいだったから何て答えればいいか分からなかった。

今も分からない。正直、他にいい人がいるかもしれないと思う。

僕が2年間頑張ってきたのは単に強くなりたいという理由もあったけど


「姉さん達と釣り合う人間になりたかった」

でも、僕が前を進むように姉さん達も前を進む。

「結局僕は釣り合わないまま、か」


でも、心の中で好きって言うのは良いよね。

見合う相手が出てきたらきっぱり身を引こう。

「それまでは一緒にいて欲しいな」


僕はそう言ってベッドから立ち上がる。

屋敷の中を散策する。

変わらず中世の様式ではあるけど

「中庭まである」

辺境伯家の屋敷より広いかもしれない。

少し、お腹が空いてきたので久しぶりに何か作って食べよう。

「ミコト姉さんなら朝食用に食材を用意しているはず…うん?ミコト姉さん?」


昨日ミコト姉さん隣で寝てたよね?あの後、

自分の部屋に帰ったのかな?さすがに狭いよね。と考えていたら鍋のカンカンという音が聞こえてくる。


「おや、起きたか」

「ミコト姉さん、おはよう」

「おはよう主様。お腹は空いたか?もう少し待っててくれ」

「手伝うよ」

「助かるのう。お手伝い出来る男はモテるぞ?」

ふふ、とにこやかに笑う。


「ミコト姉さん」

「どうした?」

「何で今まで、素の喋り方じゃなかったの?」

「それはだな…その、怖がらせたくなかったからじゃ」

なんでもこの喋り方は威圧感を与えるらしい。


「まだ幼い主様にはきつい言い方だと思われたら嫌じゃからのう」

「どんなミコト姉さんでも好きだよ」

「お、おーそうか嬉しいのう」

と頭を撫でられる。


「今日は味噌汁を作ってみたんじゃ。我が故郷の味にしたぞ」

「味噌汁!?」

なんか懐かしい匂いがすると思ったら

「おや、知っておるのか?」

「もちろん!知ってるよ!」

「味見してみるか?」

「うん!」


差し出されたお椀を一口。

味噌だ。

「ありがとう」

「え?」

「すごく美味しいよ」

「美味しいとは言ってくれると思ったが感謝されるとは思ってもなかったぞ」

「ミコト姉さんの故郷ってどういう所なの?」

「東洋の方じゃ。わらわのように着物を着ている人が多くてな。いい所じゃ」

「いつかそこに行こう?」

江戸時代の日本と少し似ているから気になる。


「ああ、もちろんじゃ主様」


《カズヤはだいぶ奥手ですね笑自己肯定感が低いのが理由かも?》

追記:もう1個、移動時間の間に頑張って作ったのでもう少し脚色したら投稿します( . .)"

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