第88話
俺はルーンの間という、結局よくわからなかった部屋に入った、いやそうじゃない、運ばれた。
そのまま部屋に設置してあると思われるベッドへ寝かされた俺。
寝かされた瞬間、急に苦しくなってきた。
苦しいというか、身体の中が熱くなってぐちゃぐちゃになったというか、もう訳が分からんがつまり、異変が現在進行形で進んでいるって事だ。
「ヘイマンス様、耐えられますか?」
・・・・駄目だこれ。
俺はこのままここで死ぬんだろうか・・・・
「我慢?できると思っているのか?体中が熱い!」
「もう少しだけ耐えて下さい。エレン様を呼んでまいります。」
「え?ちょ!置いていかないでくれオリビアさん!」
無情にもオリビアさんは俺を置き去りにして去って行った。
因みに俺を運んだ魔法使い?はベッドに寝かしたらすぐに立ち去ってしまっている。
なので今俺は久しぶりの1人なのだ!
だからと言って何もできないんだがな!!
・・・・
・・・
・・
・
一方この頃、精霊達は・・・・
『駄目じゃ!全く繋がりを感じられんのじゃ!』
『私も駄目です!まだ魔力は残っていますが、このままでは・・・・』
土の精霊であるじいちゃんと、火の精霊であるサラマンダーである。
2体はヘイマンスとの繋がりが感じられなくなって困惑しており、今現在困窮している。
何とかして繋がりを戻そうと模索しているが、今の所手がかりすら掴めていない。
『こんな事は助けてもらってからこの方、一度もなかったのじゃ!このままでは完全に断たれるぞい!時間が無くなってきておる・・・・』
『分かっております。私も存在を維持する行動に変更した所ですが、ヘリット殿に一体何があったのでしょう?』
『れべるあっぷとかいうのを行って、その後魔力が急激に増えたからのう。魔力の扱いが出来ておらぬのではなかろうか。』
『そう言えばヘリット殿は今まで体内に魔力をためる事が出来ておりませんでした。その影響でしょうか?』
『そうであれば・・・・やはり頼みの綱はエレン嬢じゃのう。』
『エッフェン殿ですか・・・今のへリッド殿を受け止めるのは・・・・難しいのでは・・・・?』
『やってもらわねばやがて我等は現世にこの姿を維持できなくなるからのう・・・・そこは期待するしかないのじゃ!』
ねえねえアク・・・・じゃないウィンディーネ!どうするのよ!』
『シルフさん、私達がここで慌てても仕方がありませんから、先ずは落ち着いて、その後ヘイマンス様に何ができるのか、考えましょう。』
風の精霊シルフと、水の精霊ウィンディーネである。
『何ができるって、私達は実態が無いに等しいから物理的に干渉するのは難しいわよ?何かあるわけ?』
『そこは・・・・エレン様に期待するしかないでしょう。ヘイマンス様を受け止められるのはエレン様の他・・・・オリビア様も?』
『あの娘は駄目!まだ縛りから解放されていないから!絶対駄目!』
『では・・・・全力でエレン様をサポートしましょう。』
『サポートってどうすんのよ?』
『私、おばあちゃんですから・・・・』
『あ、そ。私だけ役立たずじゃないのよ!』
ヘイマンスが身動きできなくなっている頃、ヘイマンスの周辺に居る精霊達も活動できなくなっていた。
『治療できない・・・・』
『怪我じゃないから無理。呪いでもないから私でも無理。』
光と闇の精霊も、今回は対応できる選択肢が無かった。
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