第141話 憎しみが生むもの⑲
俺たちはいったん遮蔽物に隠れて態勢を立て直してから今度は慎重に攻撃をしていく。敵は現在挟まれている状態だがそれでも精鋭部隊というのは脅威だ。
とにかく一人一人を着実に仕留めていく。
まず遮蔽物から銃だけ出して制圧射撃を加える。敵の装備がいいといえどさすがに銃弾の直撃を完全に無効化することはできない。俺は敵が隠れようとした瞬間に顔を出して一人に標準を合わせるとそのまま何発か叩き込んで射殺する。
『剣持、聞こえてくるか?』
『はい、聞こえてますよ』
『俺たちはこれから攻勢をかける。お前たちもタイミングを合わせて攻勢をかけてくれ』
『了解です』
「高宮2曹」
「なんだい?」
「これから別部隊が攻勢をかけるようです。俺たちもそれに合わせて攻勢をかける必要があります」
「そうか。ただこっちはもう人数も少ない。攻勢をかけるといっても限界があるんじゃないかな?」
「えぇ、もちろんそうです。ただそれでも積極的に前進していこうという姿勢だけでも敵にけん制をすることができます」
「わかったよ」
高宮2曹はそういって持ち場に戻っていく。そして全員が持ち場についたことを確認してからすぐに攻勢をかけ始める。攻勢といっても実際には先ほどよりも多くの弾幕を敵がいる方向に向けて展開するだけだ。
ただこれだけでも敵はこちらに攻撃することが難しくなり、後退していくしかなくなる。そしてこれは俺たちのところだけではなく敵から見たもう一つの戦線である弓削さんたちのところでも行われている。
そしてどうやら弓削さんのところの戦線は階段の上まで到達したようだ。走って遮蔽物に隠れる自衛隊員が見える。
俺たちも戦線を11、12番線ホームにつながる階段まで上げており敵は南改札のほうに追い込まれて行っている。
敵の密度が上がってきてことで、少し前線が上がっていくスピードが落ちてきてので、俺は敵がいるほうにグレネードを投げる。敵の足もとまで転がっていたグレネードは敵が対応する前に爆発する。これによってちょうど俺の前に展開していた敵の前線に穴ができた。
俺は走ってその敵の前線の穴に駆け込んで近くにあったロッカーに体を隠す。そして近くで自衛隊員とやりあっていた敵に横から銃弾を叩きこんで射殺する。
さらに弓削さんのほうに展開している敵部隊の背中もここから見ることができる。俺はばれないように慎重に標準を合わせるとそのまま弓削さんの部隊を攻撃していた敵の頭部を弾き飛ばす。
敵は突然思ってもいなかった方向からの射撃で殺された仲間に一瞬固まる。もちろんそのすきは戦闘において致命傷になる。その瞬間に弓削さんと撃ちあっていた敵構成員が同時に数人射殺される。
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あとがき
ここ数日間長崎に旅行に行っていたため投稿できていませんでした。申し訳ありません。
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