第126話 憎しみが生むもの④
弓削さんはそういうとさらに前進して数人の敵構成員が狙える位置につく。それについていくように数人のSATの隊員が続くがついていった1人が間違ってスナイパーの射線上に入ってしまい、そのまま頭部を弾き飛ばされる。
すでにこの作戦に参加しているSATの隊員のうち半数近くが死亡している。まだギリギリ戦闘継続ができるとはいえ、非常に厳しい。
俺も弓削さんだけに任せるわけにはいかないので前進して敵を狙える位置まで移動する。蒼葉君も俺たちに続くようにして前進している。現在、弓削さんと俺と蒼葉君がそれぞれ別の場所についており、それぞれにSATの隊員が数人ずつついている形だ。
俺はこちらのことを撃ってきている敵兵の頭部をヘルメットごと吹き飛ばして仕留める。
すでに5階に展開していた敵の過半数は仕留めたがまだ残党が残っている。とにかくやつらを仕留めないと6階にいるスナイパーを仕留めることができない。
俺はさらに前進して敵をさらに狙いやすい位置に移動する。移動するとすぐに俺は近くにいた敵構成員を射殺する。そしてその流れのまま蒼葉君の部隊と交戦している敵に標準を合わせるとトリガーを引く。
これによって蒼葉君のところに展開していた敵部隊が全滅した。すでに俺の前に展開していた敵部隊は壊滅しており、弓削さんのところで処理しきっている。
『5階の制圧を完了した。6階の制圧を開始するぞ』
『階段を上っている時はスナイパーの格好の的になってしまいますけど、どうしますか?』
『奥にある階段を使うぞ。あそこならスナイパーの射線から外れているはずだ』
『了解』
俺たちは敵の射線に入らないようにしながら奥にある階段を目指す。それを阻止しようと6階から何人かの敵構成員が5階に降りてくるがそいつらは階段を降りている途中に殺しきる。階段は上からでも狙いやすいが下からでも狙いやすいのだ。
とにかく俺たちは奥の階段にたどり着くとまた弓削さんを先頭にして上り始める。6階からこちらに向かって撃ってくる敵交戦員を一瞬で仕留め切ると、そのまま勢いに任せて6階に上り切る。
階段を上っている途中にも敵はこちらのことを撃ってくるがあたりはしない。跳弾によって一人のSAT隊員が負傷したが、まだ戦闘を継続できるレベルだ。
俺たちは階段を上がり切るとすぐに遮蔽物に隠れて、敵の位置を確認する。
例のスナイパーは6階の一番端陣取っており、基本的に射線が通りやすい6階でも間違いなく脅威になる。
まずはスナイパーを仕留めるためにほかの敵構成員を始末する必要がある。またさっきのようにいくつかの遮蔽物に分かれた俺たちは正面にいる敵から倒していく。
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