憎しみが生むもの

第123話 憎しみが生むもの①

俺が突入した部屋では3人の男が机を囲んでなにやら話をしていた。


俺は3人が見えた瞬間に構えていた銃で3人の頭を撃ち抜く。彼らはこちらをびっくりした表情で見つめるだけで何もできずに倒れていく。


俺がその部屋を制圧したのと同時にこの部屋の逆側にある部屋の中にいた敵構成員も突入したSATの隊員に射殺された。


懸念点としては俺たちが使っている銃にはサイレンサーがついているが、サイレンサーを付けたとしても音というのはどうしてもなってしまうことだ。どちらかというとサイレンサーは音を消すというよりは音を変える機能がついているのだ。これによって発砲音だとわからないようにしているのだ。ただ戦闘に慣れているような人物が近くにいればそれが発砲音だとわかるだろう。


つまりここから先では敵が待ち伏せをしていたり、逆に敵がこちらのことを攻めてくる可能性だってある。とりあえず残りの2つの部屋を簡単にクリアリングしてさらに上の階を目指す。このビルは8階建てになっているのでまだ全体の4分の1しか終わっていない。


SATの隊員が先頭に立って上の階を目指す。階段を上がりやはり先ほどと同じ間取りになっている3階に到達すると、一番に近くにあった部屋をクリアリングするために先頭にいたSATの隊員が扉を開けようとした瞬間、扉を貫通するようにして弾丸が室内から飛んでくる。


扉を開けようとしていたSATの隊員はそれをもろに食らってしまいその場に倒れこむ。


『一人、KIA!』


俺は本部に一人やられたことを伝えると同時にやられた隊員の肩を持って引きずるようにして後方に下げる。


俺がそうやってやられたSATの隊員を後方に送っている間に弓削さんが部屋の中にフラッシュバンを投げ込み、ひるんだ敵を仕留めた。


今度は弓削さんが先頭になって部屋のクリアリングをしていく。そのあと2つの部屋をクリアリングしていったがそこには誰もいなかった。この階はあと一つしか部屋が残っていないが、そこからは明らかに話し声が聞こえてきている。


部屋の前につくと、弓削さんが扉を後ろげりで開け、俺が先頭となって中に入っていく。中には銃を持っている敵構成員が2人いたが、どちらも戦闘をする態勢ではなかったためこちらに攻撃を仕掛けてくる前に仕留めきる。


これで3階までのクリアリングが終了した。残りは5階、ただここからは階の間取りが変則的になっていくためこれまでと同じようにはいかない。ある意味ここからが本番といえるだろう。


俺たちは弓削さんを先頭に4階へとつながる階段を上っていく。

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