第79話 襲撃㉚

「でもそれだとあと夜明けまで大体10時間ぐらいありませんか?」


「あぁ、そうだな」


「それだと我々はともかく非戦闘員たちは相当厳しいのではないでしょうか?精神的にもそうですけどまだ5月ですから相当寒くなると思います」


「確かにそれはそうだが、どうしようもできない。防寒具なんかをできるだけ着て一か所に集まってもらうしかないだろう」


「それに今襲撃が途絶えているといえもし大きな襲撃がきたとしたらもう持ちこたえられませんよ。実際俺はもうライフルの弾切れてますし」


「確かにそうだが…それもどうしようもないな。とにかく今の俺たちにできることは日の出まで耐えることだ」


「まぁ、今はご飯でも食べたら?一応みんな携帯食料ぐらいは持ってきているでしょ?今日は朝から何も食べていないと思うから何か口にしたほうがいいよ」


確かに今まで気になってなかったけどそういわれればすごくおなかがすいている。俺たちはリュックの中に入れていた携帯食料を食べると再び話し合いを始める。


「でも非戦闘員たちは食べるものもない中でこんな寒い夜を過ごすことになるわけだよね。彼らは相当疲れているだろうしかなり厳しいかもしれない」


「とはいっても俺たちにできることは彼は敵から守ることだけです。これ以上のことはさすがに俺たちにもできません」


「まぁ、そうだよね。とにかく今はできることをやろう。この人数だから夜通しで警戒に当たってもらうことになると思う。僕たち司令部も通信ができるようにならないかとかいろいろしているから何かあったら連絡してね」


ということで話し合いは終了。とにかく俺たちは警戒を当たることしかできないのでずっと警戒をすることになった。


でも正直ろくにご飯を食べていないし休憩もとっていないし睡眠もとれないとなると俺もさすがに経験したことがない。もちろん徹夜でずっと動き続けるっていう訓練はあるけれどもそういうときでもちゃんとご飯ぐらいは食べる。それに昨日からずっと戦闘をしているようなもの。すでに自分の気づかないところで疲労がたまっていて判断がうまくできないということだって考えられる。


でもつらいのはみんな同じだし非戦闘員たちよりは格段に気持ち的に楽だろう。彼らを守るためにも俺はちゃんとしていないといけない。


俺はさっきまでいたところに向かうとまた草むらに紛れて敵が来ないか見張り続ける。


ちなみにさっきいなかった瀬霜さんは狙撃銃を担いで木の上に上っている。彼の銃にはIRレーザーもついているから夜間での遠距離射撃も可能だ。

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