第68話 襲撃⑲

蒼葉君が号令をかけて全員が配置につく。俺の配置は敵が来るときには一番に接敵するような場所だ。でも瀬霜さんとか弓削さんに比べれば責任が小さい。ここからではヘリコプターのことを直接見ることはできないけど音でわかる。作戦が始まるのはすぐだ。


『こちら弓削、配置についた』


『同じく』


『同じく』


『よし、それなら作戦を始めよう。弓削さんが撃ち始めるタイミングに合わせて瀬霜さんはヘリコプターのローター部分を撃って。うまくいけば一撃で仕留められるはず。剣持さんは敵が来ないようにそこで見張っててね。もし抑えきれなくなったらこっちに連絡をしてから撤退を始めて』


『『『了解』』』


======================================


弓削はできるだけ体が隠れるように倒木の裏に隠れながらヘリコプターにミニミの照準を合わせていく。そして照準器のど真ん中にヘリコプターが着た瞬間、トリガーを引く。


弓削が持ったミニミから飛び出た弾丸は狙い通りにヘリコプターに向かって飛んでいくとヘリコプターのドア部分に当たって衝撃音をたてる。。だが相手は軍用ヘリコプター、もちろんそんなことでは落ちない。


ヘリコプターはその体を揺らしながら旋回して弾丸が飛んできたであろうところにミサイルの標準を合わせる。


その瞬間枝の上にいた瀬霜さんのバレットが火を噴く。カモフラージュがつけられた黒い銃身から飛び出ていった弾丸は一直線にヘリコプターのローター部分に向かって進んでいく。


だが弾丸がヘリコプターに当たろうとするその時、強い風が吹きヘリコプターが風にあおられる。そのせいで瀬霜さんが放った弾丸はローター部分直撃せずプロペラの一枚に当たりそれを折るにとどまった。


そしてヘリコプターはミサイルを放つ。そのミサイルは弓削さんがいる方向に向けてまっすぐに飛んでいくと地面に触れて大きな爆発を引き起こした。


1発目を外した瀬霜さんだがすぐにレバーを引いて空薬きょうを出すともう1発放つ。その弾丸は1回目と同じようにローター部分にまっすぐに進んでいくと1発目とは違いそのままローター部分吸い込まれていき直撃した。


ローター部分を狙撃されたヘリコプターはプロペラと本体に分離するとそのまま本体はその場に墜落し大きな爆発を起こしプロペラはどこか遠くにそのまま飛んで行った。


『ヘリコプターを撃墜。墜落地点に生き残りがいないか確認しに行く』


墜落現場には無残にも大破し炎上しているヘリコプターの残骸だけがあった。すなわちヘリコプターの搭乗員は全員が死亡した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る