第67話 襲撃⑱
『弓削だ。2人とも菖蒲のところに集まってくれ』
まずは
「まずは今の状況の整理からしよう」
「多分死傷者についてはもう聞いていると思うからヘリコプターについて僕が話すね。まずヘリコプターは今僕たちを見失ってはいるけどいまだに上空にいるのがローター音で分かると思う。僕たちが森を抜けたら真っ先に攻撃をしてくるだろうね」
「相手のミサイルはどのくらい残っているんですか?」
「多分だけど、4発はもう撃っていると思うよ。だからあったとしてもあと4発かな。まぁガトリング砲がついてるからそれを撃ち尽くしたとしても油断はできないけどね」
「援軍が派遣される可能性はどれぐらいだと思います?」
「そうだねぇ、多分だけどここまで攻撃ヘリコプターが来ているってことは管制関係のところにも敵勢力が浸透している可能性がありえるから、当分来ないと思っていいんじゃないかな?それに今自衛隊は海保のことで忙しいはずだし」
「そうなると俺たちだけであれを落とさないといけない。瀬霜、今持っている重火器は?」
「今日はあんまり持ってきてないからミニミとバレットM82だけだね」
「十分だ。空中で飛んでいるヘリコプターをバレットで撃ち落とすことはできるか?」
「やったことはないけど理論上は可能ではあるよ。でもさすがに一対一だと厳しい」
「わかっている。ミニミを貸してくれ」
「弓削さん、どうするんですか?」
「俺がヘリに向けてこれを撃つ。それでヘリはこっちに集中するだろう。そのすきに瀬霜が木の上からヘリを撃ち抜くんだ。蒼葉さんと剣持はその間敵が迫ってこないか見張っててほしい。相手はこの隙に地上からも攻めてくるはずだ」
「それじゃ、弓削さんが危険じゃないですか!」
「こんなところで死ぬつもりはない。それに相手が俺に向けて撃ってくる前に撃ち落としてくれるだろう」
「…あんまりプレッシャーをかけないでほしいな?」
「大丈夫だ。俺はお前を信用している」
「…いつも生意気な弓削君がそう言うこと言うなんて感動だよ!」
「茶化すなよ」
そういうと弓削さんは一人で俺たちに背を向けて歩き出していく。
「…弓削君!これが終わったら飲みに行こうじゃないか」
「あぁ、楽しみにしている」
弓削さんはこちらを振り返ることもなく小さく手を振ると行ってしまった。
「さぁ、僕たちも弓削さんの覚悟に恥じないように仕事をしよう!剣持さんは道側の警戒を頼めるかな?」
「了解です」
「瀬霜さんは弓削さんに言われた通りどこか狙える木の上を探して」
「了解」
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