第59話 襲撃⑩
そこからさらに先に歩いていくと今度はまだ戦闘中の警官たちに出会った。ただすでに数人の警官がやられているようで劣勢になってしまっている。
「大丈夫か!」
警官たちはこちらが声をかけるとすぐに銃をこちらに構えてきたが味方だとわかったのかホッとした様子で銃を下す。
「現状はどんな感じだ?」
「すでに3人の警官が殉職しました。ほかにも数人のけが人が出ていて厳しい状況です」
「わかった。リボルバーの弾は、まだ残っているのか?」
「一応まだ数発残っていますが心もとないです」
「リボルバーの弾なら俺が持ってきたこれを使ってくれ」
俺は持ってきていたリボルバー用の弾丸をリュックから出すとその警官に手渡す。
「ありがとうございます」
「それで、この先の状況なんだかわかるか?」
「もう一つ隣のブロックまで東側ということになっているんですがそこでは激しい銃撃戦が起きていたようですがどうやら制圧しきったらしいです」
「…それは本当か?」
「はい、そもそも東側の一番端だったことでほかのところに比べて多くの人員が配置されていたのに加えて他と比べると敵の戦力も少なかったらしいです」
「なるほど、そこの警官たちはまだ戦闘可能なのか?」
「いえ、敵を制圧したとはいえ相当数の犠牲が出ているようでこれ以上の戦闘は厳しいとのことです」
「わかった。それなら俺もここの戦闘に参加しよう。敵の配置は?」
「正面に3人、そこから少し斜めにいったところに2人ずつです」
「装備は?」
「全員がライフル、手りゅう弾を装備しています」
話を聞く限りだと普通の軍隊と遜色ない装備を持っているらしい。実際に俺たちが一番最初に交戦した部隊も装備の質は高かったし敵の装備の質が全体的に高いということなのだろう。となると敵には警官に扮しているのと軍隊級の装備をしているものの2つがあるらしい。
確実に警察には荷が重いが、やるしかない。もしここで俺たちがせん滅させられるようなことがあると警察にはこれに抵抗するような戦力が完全になくなる。そうなると自衛隊が出てくることになるがそれにはめんどくさい手続きが必要になる。実質的に俺たち
「了解した。それなら正面の3人は俺が引き受けよう。そいつらを倒すまでほかの奴らを引き付けておいてくれ」
敵としても時間があるわけではないのだろう。妨害電波が出ているとはいえ通信が途切れれば怪しまれる。時間をかけすぎると警察側の援軍が来る可能性もある。となると俺たちが我慢していればチャンスは来るだろう。ただそれだけではつまらない。ただ待っているだけならだれでもできる。
俺は背の高い草に隠れながら敵が出てくるのを今か今かと待ちながら手りゅう弾のピンを外していつでも投げることができるようにしておく。ちなみにこの手りゅう弾にはピンのほかにレバーがついており。それを離してから数秒立たない限り爆発はしないようになっている。
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