第54話 襲撃⑤
『司令部は大丈夫なの!』
『現在、司令部を中心に陣地を形成して抵抗していますがいつまで持ちこたえられるかわかりません!』
『今から助けに行くよ』
「みんな、どうやら司令部が攻撃を受けているらしい。2人を救うためにもまずは司令部を解放しに行くよ」
「瀬霜!出し惜しみはなしだ!好きなだけぶっ放せ!」
「それを待ってたよ!」
瀬霜さんはそれを聞くと近くに止めてある俺たちが止めておいた車に荷物を取りに走っていく。
「剣持、これは模擬戦じゃない。慎重にやっていけ」
「わかってますよ。俺は船の中でも生き残ったんですから」
「そうだな」
弓削さんは少し笑うと顔を引き締める。
弓削さんが見ている方向を見るとどうやら瀬霜さんが戻ってきたみたいだ。
「それじゃ、みんな行くよ」
蒼葉君がそういうと俺たちは周囲を警戒しながら司令部がある場所に向かっていく。その方向からは絶え間なく発砲音が聞こえてくる。司令部が危険な状態にあるというのはどうやら本当のことらしい。
先頭を歩いていた蒼葉君が手を挙げて俺たちにストップの合図を出す。
「前方に敵の部隊がある。こっちのことはまだ捕捉していないみたいだ。隠密行動で行くよ」
敵の部隊は3人。これなら同時に全員倒すことができる。俺は腰のホルスターから拳銃を抜くと指示された一人の頭を打ち抜く。それに合わせて蒼葉君と弓削さんがほかの敵の頭を打ち抜く。
「先に進もう。できるだけ多くの敵を片付けながら行くよ」
いくつかの敵部隊と接敵したが一瞬で敵の部隊を片付けて、すぐに進んでいく。俺たちがある敵の部隊を倒したところから少し進むと数名の警官が重なって倒れていた。どうみてもすでに手遅れな状態だ。
本当は弔ってやりたいが今そんな時間はない。倒れている警官たちを横目に見ながら俺たちはさらに進んでいく。
進んでいく中でさらにいくつかの敵部隊と接触したがどれも小数人で捕捉されることなくキルすることができた。ただ敵の装備は豪華だ。拳銃ではなく全員がライフルを装備しているしアーマーも相当いいものを使っている。これでは警官の装備じゃ太刀打ちすることが厳しいだろう。
「そろそろ司令部につくはず。その手前にある前線が一番の激戦区になっているから気を引き締めて!」
少し緊張しながらも進んでいくと俺のすぐ近くを弾丸が通り抜けていった。すぐに隠れるがどうやら俺のことを狙ったわけではなくて流れ弾が飛んできたようだ。戦場が近づいてきているという実感が出てくる。
「左側に敵部隊。15人ぐらいいるぞ」
「全員戦闘態勢。グレネードを投げるよ」
蒼葉君がグレネードを投げるのと同時に俺たちは攻撃を開始する。
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