第45話 凶報⑯
「ここからは少し慎重に行ったほうがいいんじゃないか?相手は精鋭を残している可能性がある」
「そうだね。ただあんまりゆっくりしすぎるともしかしたら脱出用のボートなんかを使って逃げ出す可能性もあるから難しいところだけどね」
「確かにそうだな」
「それにもう弾薬の数が少ないんでしょ?僕だって今日はサブウエポンとか持ってないしそもそもあんまり戦闘をしたくないところだよね」
「となると必要最小限の戦闘だけをしながらターゲットと艦長を確保するという感じか?」
「まぁ、そうなんだけどそんな簡単なことじゃないからね。普通に考えてここから先は敵としても僕たちが必ず通るところにしかいないはずだし」
「最悪倒した敵が持っていた武器を使えばいい」
「わかったよ」
艦橋部分に入ろうというところで少しだけこれからのことを話し合ってから乗り込んでいく。正直ここまでできるとは思わなかった。あそこまで絶望的な状態からここまで敵を追い込むことができたんだ。チェスで言うのならチェックの場面だ。あとはこれをチェックメイトに持っていくだけだ。
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そのころ本部では
「巡視船石見が停止しているというのは本当なの?」
「はい、これは正しい情報のようです。自衛隊のレーダーでもそのように確認されているということです」
「それは何かのエンジントラブルでそうなっているって考えていいの?」
「それはわかりません。外部から確認できるような損傷だったり座礁しているわけではないのでもしかしたら中で剣持がコントロールルームに立てこもっているという可能性もあります」
先ほどまで黙っていた菖蒲が突然横やりを入れてくる。
「そんなことありえる?普通に考えたら何かしらのエンジントラブルって感じでしょ」
「もちろんその可能性が高いことに間違いはないが可能性としてはありえる」
「そんなことよりも気になる情報があるんだけど?」
「何だ?」
「まだ未確認の情報ではあるんだけどもしかしたらその巡視船に、ーーーーーが乗っているかもしれないんだよね」
「本当か?それにしては連絡も何もなかったが」
「ーーーはそういうとこ適当だからね。普通にあり得るとは思うよ」
「未確認情報だからまだ安心はできないですけどこれで勝ち筋が見えてきましたね」
「そうだね。ーーーがどうやってあそこに乗り込んだのかは気になるけどーーーが剣持さんと合流していたら船内を制圧してしまうかもしれない」
「とりあえずその情報の真偽を確かめてから行動を起こすことにしましょう」
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