Ⅰ.書きたい小説を考える
まずは書きたい小説を考えます。
どのような小説を書こうと思っているのか、友人や家族、スタバの店員さんなどに一言で説明できるよう考えてください。
これは「ログライン」と呼ばれるものです。
そして「テーマ」も決めましょう。
石化海月の場合:
【ログライン】
海を漂う海月が自分の姿を見て石化し月になる物語
【テーマ】
自分が思っている以上に自分は美しい存在だ
個人的にですが、ここは人間が決めた方が良いように思っています。なぜなら、AIは新しい発想を持たず無難な提案をしてくるからです。エンターテインメント作品であればそれでもいいかもしれませんが、もし自分に書きたい小説がある場合には、ここはAIには譲らず自分で設定してください。
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AIに考えてもらう場合:
※AIはGPT4という高性能なAIが無料で使える「Bing」を使用します。ChatGPTでもGPT4を使える有料プランに入っているならそれでも大丈夫です。
■例えば、下記のように質問してみましょう。
小説を書こうと思っています。魅力的な小説を一言で提案してください。またその小説のテーマも教えてください。
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□すると、Bingは下記の通り返答しました。
小説の提案ですね。では、こんなのはいかがでしょうか。「死んだはずの恋人と再会した男が、彼女の秘密を追ってタイムトラベルするサスペンス」この小説のテーマは「愛と運命」です。
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■もう少し具体的に質問してみます。
児童向けの小説を書きたいです。子供向けの魅力的な小説を一言で提案してください。またその小説のテーマも教えてください。
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□返答
児童向けの小説の提案ですね。では、こんなのはいかがでしょうか。「魔法の本を手に入れた少年が、本の中の世界に飛ばされて冒険するファンタジー」この小説のテーマは「想像力と勇気」です。
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■こんなのもやってみましょう。
下記のコンテストに向けて小説を書きたいと思っています。コンテストで大賞を取るために、魅力的な小説を一言で提案してください。またその小説のテーマも教えてください。
###コンテスト
『第2回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト 応募要項 - カクヨム (kakuyomu.jp)
https://kakuyomu.jp/contests/gs_koeken_2023/detail
※「###」を使うことで、AIにより具体的な指示を送ることができます。今回は、ちょうどこの記事を執筆している最中に開催されていたコンテストを試しに貼り付けました。
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□返答
コンテストの応募要項を拝見しました。音声化短編コンテストということで、聴く人の心に響くような物語が求められると思います。では、こんなのはいかがでしょうか。
「夢を見ることができない少女が、夢を見せてくれる不思議なラジオを手に入れるファンタジー」
この小説のテーマは「夢と現実」です。
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怖。
すご。
まぁこんな風に、漠然と何かを考えてもらうよりは、コンテスト参加等の目的を示した方がAIはしっかりと答えてくれるようです。
ただ、テーマが少し曖昧なので、少し修正したいと思います。
○テーマについて
テーマとはなにか。
丸山がそれを語るよりも、カクヨムにてフィルムアート社が公開している脚本術を参照してもらった方が良いと思います。
フィルムアート社の本【ためし読み】:
https://kakuyomu.jp/works/16816410413898889590
テーマについては特にこれ。
『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2』第1章すべては白紙から始まる:
https://kakuyomu.jp/works/16816410413898889590/episodes/16816700427679287908
曰く、
>脚本術のワークショップで、私はいつも受講生に同じ質問をする。「何についてのストーリーを書いているのか?」すると、「いとこ同士のラブストーリーです」とか、「20世紀初頭、ボストンに住むアイルランド人一家の話です」とか、「近所の学校が閉鎖になったので自ら学校を建てる親たちの話です」といった答えが返ってくる。
こんなふうに答えが漠然としている場合には、こんな助言をする。アイデアをもっと深く掘り下げ、書きたいストーリーを自分らしく表現するにはどうしたらいいか考えなさい。これは実際やってみると、そんなに容易なことではない。もっと具体的にしなさいと繰り返し要求すると、受講生は苦しむ。だがそうしていくうちに、誰の、何についてのストーリーなのかが明確になってくる。それがテーマであり、脚本家の出発点なのである。同じジャンルや題材の作品であっても、テーマによってストーリーの描き方は大きく変わる。だから、テーマが明確かどうかがとても重要なのだ。
>テーマという出発点がはっきりすれば、ストーリーは明確になり、独創的な広がりをみせる。テーマの設定は執筆の出発点である。
>同じジャンルや題材の作品であっても、テーマによってストーリーの描き方は大きく変わる。だから、テーマが明確かどうかがとても重要なのだ。
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つまり、テーマとは「なにについて書くか」ということですね。それを踏まえると、AIが提案してきた「夢と現実」というテーマは少し漠然としています。
今後、テーマは何度もAIに食わせることになります。テーマ次第で物語の方向性がきまります。なので、ここでしっかりと調整しておきましょう。
■問い
この小説のテーマ「夢と現実」にはどのような意味がありますか?
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□返答
この小説では、夢と現実は対立するものではなく、相補するものとして描かれます。夢を見ることで、少女は自分の心の奥底にある願望や恐れ、感情や記憶に気づくことができます。また、夢の中で出会った人物や出来事は、現実の世界にも影響を与えることがあります。しかし、夢に夢中になりすぎると、現実を見失ってしまう危険もあります。少女は、夢と現実のバランスを保ちながら、自分の人生を切り開いていくことになります。この小説のテーマは、「夢と現実」には、それぞれに価値があり、互いに関係しあっているという意味があります。
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■問い
その内容を一言で表現してみてください。
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□返答
「夢の中で見つけた自分と現実の中で生きる自分」
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まだ漠然としているような気もします。ただその感覚は人それぞれなので、気が済むまで調整してもらって大丈夫です。
出そろったログラインとテーマは、今後コピペしやすいようにメモ帳などに記録しておきます。
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###ログライン
夢を見ることができない少女が、夢を見せてくれる不思議なラジオを手に入れるファンタジー
###テーマ
夢の中で見つけた自分と現実の中で生きる自分
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続いて、物語の設定を考えていきます。
なお、AIはここで初期化してもらっても大丈夫です。
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