第25話 『♡ Kyoko Love ♡』25-2


25-2.


 私たちは一旦部屋に荷物を置きに行き、身軽になって

ディナーに臨んだ。


 いつもの飲み会での恒例のメニューと違い、今宵は

スペシャルメニューということで、私も垣本さんもお酒は

ワインを頼んだ。

 

 「私、ワインって久しぶり。

 友人の結婚式以来かな・・」



 「俺も久々? かな。

 ちょっと緊張するけど・・」


 「・・けど? 」


 「石川さんのこと、恭子ちゃんって呼んでいいかな? 」


 照れ気味な垣本さんが聞いてきた。


 「クスッ、いいともぉ~♪ 」


 「ここのデラックスコースの最後に出てくるオリジナル

コースのデザートがすごいらしいよ」


 続けて照れ隠しを払拭するかのごとく、やさしい笑顔を

伴って超高速でコースの説明をしてきた。 


 「へぇ~、楽しみっ♪ ケーキとコーヒーの別腹空けとかないと。

 垣本さん、スイーツとか甘いもの大丈夫なんですか? 」


 「うん、まぁ普段食べる習慣はないけど。

 こういうシチュエーションでコースに付いてたりする分には、

抵抗はないかな。 ・・っていうか、甘いものも時々はいいものだよ。

 量が多いと閉口してしまうけど」

 

 へぇ~、苦手っていうのではなさそうだ。

 和風のスイーツはどうなんだろう?

 

 私は自分がおぜんざいやおはぎが好きで学生時代は

飲食店で友人とよく食べたものだものだから、くだらない

興味が少しだけ沸いた。


 そんな風にとりとめのないことを考えていたら・・。



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