第23話 『♡ Kyoko Love ♡』23
23.
先々月だったか、たまたま別居について語り出した石川
恭子のことを、垣本は目をまん丸にして眺めたものだ。
いっぱしのことを語る恭子の姿・言動に大きなギャップを
感じた。
彼女は華やかな世界の住人で見るからにふわふわして
いて、キラキラしていて、にこにこしていて、にこやかで
世間の下々で苦労している女性たちからは程遠い場所に
居るように見えていた。
年齢こそ少しいってるとはいえ、自分含め庶民である
男たちからすると、明らかに高嶺の花だ。
そんな風にしか見えない
ワードの存在する世界に降臨し、想像だにしなかった弁舌
を振るった。
おったまげー!
それは大きな驚きであり、SHOCKであった。
ふたつの顔を持つ彼女を知り、そのどちらの顔にも俺は
恋に落ちた・・のかもしれない。
ギャップ萌えとでもいうのだろうか。
ずっとこの
職場での苦労や家庭生活での苦労などという、世俗の垢
みたいなものとは、縁なく生きてゆく人なんだろうなぁと
漠然とそんな風に思っていたものだから、よけいに。
仮に俺の知らない顔があったとしても、この先ずっと
知る由もないだろうと、思っていたし。
同居の件にしても、そこまでズバズバ話せるのだから
彼女とならお互いの主張をすり合わせながらこれからの
人生を共に歩んでいけるような気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます