旅
勝利だギューちゃん
第1話
帰宅する。
ポストを開ける。
手紙が入っている。
3通ある。
親父に2通。
俺に1通。
なんだこれ?
『当選のお知らせ』
なんだ?
何か応募したか?
『この度は、弊社主催のキャンペーンにご応募ありがとうございます。
厳密なる抽選の結果、貴方様がハワイ旅行のペアご招待に当選いたしました。』
あれ、当たったのか?
ふう・・・
計画実行だ。
「父さん、母さん、これあげる」
俺は、両親にハワイ旅行のペアチケットをプレゼントする。
「なんだこれ?」
「ハワイ旅行のペアチケット、夫婦で行ってきてくれ」
「今時ハワイか?」
「だまれ」
「これ、どうした?」
「この間のキャンペーンで当たった」
「ああ、あれか」
親父との会話もはずむ。
母さんも、喜んでる。
親孝行なんて、大それたものではないが、日頃の感謝の気持ち。
いつか、社会人になったら自費でプレゼントするから、それまで待ってくれ。
数日後
「じゃあ、後は頼むな」
「いいって。気を付けて行ってきてくれ」
俺は、弟と両親を見送る。
両親は、飛行機で旅立って行った。
「出かけたな、弟よ」
「出かけたな、兄さん」
弟と顔を見合わせる。
「よっしゃあ」
声をあげる。
急いで帰宅する。
そして、隠してあったアダルトDVDを出してくる。
親戚の兄さんから、もらったものだ。
「親がいないと、観られないからな」
「だね、兄さん」
「堪能しますか、弟よ」
同時刻飛行機内
「あなた、親孝行な息子をもったね」
「ああ」
「まさか、旅行をプレゼントしてくれるなんて」
「確かにな」
「大丈夫かな、息子たち」
「心配ない。今頃、あの手のビデオでも見ているだろう」
すぐに、妻は悟ったようだ。
「血は争えませんね」
「男だからな」
旅 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます