ドキドキ

 えと…えと…

 

 どんどん近づく功太。

 

 えと…えと…

 

 んーーーっ‼︎

 動こうにもからだが動かないよ…

 

 もうこれはキスの一歩手前…。

 

 もう、このままキスしちゃうのってハラハラしていたら功太がいきなりポキってポッキーを折った。

 

「かづきー…」

 

 功太からなんか呆れた顔をされた。

 

「えっ……」

 

「もーさー、ほんっとフリーズしすぎだってば」

「え、だって…功太が…」

「ま、オレだったからよかったけど他のやつだったら、そのままブチューだぞ⁈かづきはほんとあれだなぁ」

 と言いながら新しいポッキーを一本手渡ししてくれた。

 

 ポキ…ポキ。

 

 …

 

 静かにポッキーを食べた。

 

 なんなのよ…功太。

 

 そりゃさ、いきなり好きな人にそんなことされたら誰だって固まるでしょ⁉︎

 

 まぁ、わたしの場合は…基本予定外なハプニングが起きるとフリーズするけどさ…。

 

 …功太はさ、わたしのこと意識してないから…だからあんな…あんな大胆なことができるんだよ。

 

 きっとなっちゃんが功太にいきなりあんなことしてきたらびっくりするに決まってる。

 

 功太だってなっちゃんになら髪触ったり、頭支えてキス寸前までポッキー食べたりしないくせに…。

 

 わたしだから…功太は、わたしだからあんなこと平気でしてくるんだ。

 

 功太がわたしとなっちゃんの区別つかなければ、なっちゃんのフリして仕返しできたのにな…。

 

 どんな顔するのか見てやりたかったな。

 

 

 悶々とした日々を過ごしているとなっちゃんが面白いカップル動画があるんだよとみせてくれた。

 

 おー、これはドッキリ動画じゃん。

 

 いいこと思いついちゃった!

 

 

 

 なっちゃんにお願いして功太にドッキリを仕掛けていきたいと思いますっ‼︎

 

 なっちゃんは、あんまり乗り気じゃなかったんだけど、わたしのごり押しで渋々なんだけどね。

 

 

 そしていざ‼︎ドッキリ開始‼︎

 

 わたしとなっちゃんは、功太の部屋に忍び込み中。

 

 もちろん功太ママに許可を得てね。

 

 で、どんなドッキリかといいますと、布団にわたしと見せかけ、実はなっちゃんが寝ていたら?ドッキリです‼︎

 

 功太がドアをあけて帰ってきました。

 

 なっちゃんは、お布団。

 わたしは机の下。

 

 ドキドキ…ドキドキ。

 

 帰るなりバックをバサっと置いて…

 

 ‼︎

 

 ベッドに誰か寝ていることに早くも気づいた功太!

 

 そしていきなりベッドにダイブした…。 

 

 そして、

「オレの抱き枕みーつけ」

 となっちゃんに抱きついて耳のあたりをクンクンしていた。

 

 えっ…

 

 続く。

 

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