第4話 勇者の隠し子に出会った

ワタクシの名前は、シアン・ディ・ツァエリ。


辺境伯マルクス・ディ・ツァエリがワタクシのお父様です。


そんなワタクシは、王都からの帰りに盗賊に追われ領域付近にある魔の森の入り口へと向かう羽目になってしまった。


それを、助けてくれたのはハルマンと名乗る少年。


彼の胸に印された聖痕は、太陽に十字架を模した物。


あれは、先の大戦の際に侯爵位を賜った勇者と同じ聖痕だったはず。


聖痕は血縁にしか現れず、後継者となる資質を有する子にしか継ぐことはない。


それも、一子相伝。


勇者には、3人の子がいる。が、誰一人としてその資質がある者はいないとされていた。


つまり、彼は勇者の子でありながら秘匿された存在。


勇者の隠し子・・・落胤ではないですね。


落胤では、父親に認知されていないことになるけれど、「生まれた頃」と言うことは、認知はされているということ。


もしかすると、聖痕があったから隠されたのかもしれない。


でも、彼が優良物件なのは確か。


もしかすると・・・ワタクシの未来の旦那様になってくれたなら。

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