SFというジャンルを使った文学

私達の世代だと、どうしてもSFというと、『スターウォーズ』や『ガンダム』、『ドラえもん』などのアニメや映画の影響が出てしまいがちなのですが、それとは全く違う形のSFを見せてくれる、珠玉の短編です。

この作品の真髄は、主人公の心理描写であり、その書き方は私小説に近いです。それをSFというジャンルを使って描かれており、90年代の作品にも拘わらず、読後感が新しいです。
令和になった今でも、私小説はSF・ファンタジー要素を嫌う傾向があるので、こういう作品は案外SF側にも私小説側にもないと思います。

また、カクヨムという若手の書き手が多い環境にあって、このような大御所の隠れた名作があることは、とても価値があると思います。
是非、是非、一読を!

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