第20話 決着
アイアスはパリス軍に向けて歩みを進める。憎きヘクトールの前にまずはあの
そう決意していた時、再びパリスの矢がアイアスに当たる。矢は凄まじい威力ではあったが最早、アイアスは物ともしない。
「無駄という事が解らぬのか?それとも挑発のつもりか?いいだろう。のってやる。
アイアスは矢が飛んできたであろう方向に走り出す。そのアイアスに対してパリスの矢が更に何度も飛んでくる。
「わっはは、位置が丸分かりだぞパリス。逃げるなよ」
まるでアイアスを矢が導いているかの様だった。パリスは奇襲と逃げの天才である。アイアス自身、パリスには何度も奇襲による被害を受けている。ヤケけになって無意味な攻撃を仕掛けて自らの身を危険に
しかし、
「待っていろテウクロス。すぐにトロイ王国の全てをそっちに送って
飛んでくる矢を
「さてさて、貴様等が用意した策が最強の盾である我が身を
アイアスはそう声高らかに叫び、堂々と真っ直ぐに再び進み始める。ヘクトールもサルペドンの攻撃さえ、我が身に傷一つ負わせる事すら出来なかった。その絶対的な事実がアイアスの絶対的な自信となっていた。間違い無く今の自分は無敵で最強の存在だと疑うこと無く突き進んだ。実際にソロモンでさえ、アイアスに傷一つ負わせる方法を考えついていなかった。しかし…
アイアスはその途中で
「落とし穴とは小細工を…。しかし、この深さのをどうやって作ったのだ」
凄まじい落下の衝撃をモロに食らたが、今のアイアスにはダメージには成らなかった。
それは
「この様なモンスターでこの魔人アイアスが殺られるとでも思ったかー!」
アイアスは難なく自分を
「
アイアスは穴から
アイアスは降り積もっていく土砂による圧迫により、段々と動けなくなっていく。そしてそのまま生き埋めにされる形となってしまった。
◇
「何とか
物理的にダメージを与える事が
「ふっふふ。どんなもんだい!英雄ヘラクレスはネメアの獅子の首を絞め続けて殺したらしいからね。魔人や魔物でも窒息死はするんだね」
「さっきは弱点は無いって言って無かったけ?」
「明確な弱点はね!そもそも普通はこんなのは弱点とも言えないよ。誰だって窒息死はするだろ?」
「ぐぐぐっ…」
それは
「ソロモンが凄いのは当然だけど、
せめてもの反抗でそう言うと
「それと君の召喚術だね。アキレウス君がいないと成り立たない作戦だったからね。君あってこそだよ」
「俺のお
「何を
「落ち着けソロモン。友達ってのはそう簡単にやめるもんじゃあないよ。魔王軍を完全に
「本当に?」
「約束さ」
「やったー!ズッ友宣言だー!」
良く分からない単語を発しながら喜ぶソロモンを見て少しだけ気持ちが
「うっ…」
突然、体が
俺の様子に気づき大慌てで叫び声を上げるソロモンを目にしながら俺は意識を手放した。
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