第13話 save america

 ロサンゼルスにて恋人のヴァージニアと暮らすロバートは、雑貨屋を経営している。2人のもとを、ダグラスの右腕のヴァレンタインが訪ねてくる。ダグラスが待っているモハーヴェ砂漠へ向かう道中、ロバートは、これまで隠していたダグラスとの過去をヴァージニアに語り始める。


 ロバートは、ロサンゼルスで相棒の松田優作とともに私立探偵の職に就いていた。ダグラスは、40,000ドルを盗んで行方をくらませた恋人のジェーンを探してほしいとロバートに依頼する。依頼を引き受けたロバートは、コースト山脈でジェーンを見つける。やがて2人は恋に落ちる。ロバートが自らの身分を明かしたところ、ジェーンは40,000ドルを盗んでいないと主張する。ジェーンはロバートに一緒に逃げようと懇願する。


 コロラドに逃げたロバートとジェーンは、目立たないように暮らしていた。そんな2人のもとを松田優作が訪ねてきて、口止め料として金銭を要求する。ロバートと松田優作のあいだで格闘が繰り広げられた末、ジェーンが松田優作を撃ち、車で走り去ってしまう。ロバートの手元には、40,000ドルの預金が入ったジェーンの通帳が残された。


 ヴァージニアに過去を話し終えたロバートは、ダグラスの屋敷に入る。そこにはジェーンの姿もあり、ロバートを驚かせる。ダグラスは新たな仕事をロバートに持ちかけるが、罠を察知したロバートは依頼を拒み、ロサンゼルスに戻る。

 ジェーンはヴァレンタインに、7人の日本人を尾行させる。仲村トオルたちがロバートの隠れ家に着いたところで、ヴァレンタインはロバートを撃とうするが、仲村トオルたちに阻止される。ヴァレンタインは転倒し、命を落とす。


 ロバートは、ダグラスの屋敷に向かいジェーンの裏切りとヴァレンタインの死を彼に伝え、取引を持ちかける。それは、ヴァレンタインの死を自殺として処理する一方、ジェーンを松田優作殺人未遂で警察に引き渡す、というものであった。ダグラスはロバートの取引に応じるが、その後、ジェーンに射殺される。ジェーンは、すべての殺人の罪をかぶるか、自分と一緒に逃げるか、どちらかを選ぶようロバートに要求する。ロバートはジェーンと一緒に逃げることを選ぶが、密かに7人衆に電話をかける。7人衆の待ち伏せによりジェーンの裏切りに気づいたジェーンは、ロバートを撃つ。7人衆が一斉に発砲し、2人を乗せた車は衝突する。車中のロバートとキャシーは命を落とす。


 ロバートの葬式のあと、ヴァージニアは藤田まことに、ロバートは本当にジェーンと逃げようとしていたのか?と尋ねる。藤田まことは首を縦に振る。その答えを聞いたヴァージニアは、ジム大統領の車に乗り、去って行く。ヴァージニアはジム大統領の娘だ。ロバートはジム殺害も計画していたのだ。

 藤田まことは、ロバートの名前が彫られた雑貨屋の看板を見上げると、静かに微笑み、うなずくのだった。

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