Serendipityで悪魔に出逢い、教会で祈る

 職場の健康診断で頼んでもいないピロリ菌抗体検査でひっかかり、生まれて初めて胃内視鏡(経鼻)を呑む羽目になり、「いかにもピロリ菌がいそうな胃だ」と医者に言われた挙句、胃潰瘍の細胞診検査結果が出る日。

「たとえ検査結果が悪性だろうが病院が終わったらBOOK OFFに行くんだ…20%offの日なんだから!」と臨んだお盆セール。


 ロッセル・ホープ・ロビンズ著 『悪魔学大全』 青土社 をGET。


 原題が〈The Encyclopedia of WITCHCRAFT and DEMONOLOGY〉とあるように、オカルトの中でも西洋の悪魔学と魔女関連に特化した本です。


 何が嬉しいって…こういう事典的な本は大抵絶版になっている上、図書館では禁帯(貸出不可)の棚にあることが多く、おまけに見つけても内容は概要を記載しただけ…という中、原典からの引用もたっぷり載っていて、5ポイント(推定)活字3段組、B5版より一回り小さいくらいのサイズの本書は、一日一項目ずつ読み進めても三か月はかかりそう…!

 BOOK OFFの狭い通路の、腰をかがめないと見えない最下段左下でこのタイトル見つけたときには、嬉しすぎて動悸が速くなってそのあとしばらく他の本のタイトルが目に入りませんでしたからね…(笑)。


 私はよほどのことがない限り中身を見てから本を買うタイプなので、これまでしているように文体も含めて実際どんな本なのか引用しようと思ったのですが、本文中で引用されている文献量だけでもあまりに多すぎてどこを引用しようか決められず。


 でも、訳者あとがきにある通り、

『本書は長年の間、魔女および悪魔に関するもっとも権威ある研究書とされ、初版出版後三十年以上を経た現在も尚、質量ともにこれを凌駕するものは登場していない。まさしく悪魔学研究の基本文献にして決定版とも言い得る大作であ』り、まさにΑアルファにしてΩオメガ(笑)。子供の頃から妖怪やオカルトの類が好きで、本を見つけてはちょこちょこ読んできましたが、他の本に書いてあった話がこの本には原典紹介つきで載っている…! 一周回って懐かしい気持ちになりました(笑)。

 もちろん、ごく浅いところでいえばソフトバンク文庫他から出ている「○○がわかる本」でもいいと思うんですが、その底本になっているのがこれ。


 初版年からいって、筋金入りのオカルティストにしてみれば、「何故今ごろになって買うんだ」とでもいうべき本なのでしょうが、本との出会いは結構偶然に左右されるもので。だから頻繁に古本屋に足を運んでいるのですが。今は絶版無き本にも出会えるので〔*〕。


 というわけで、これからガチの西洋オカルト小説を書いてみようと思う若き(?)書き手オカルティストにもおススメ!


 んで、帰りに赤羽のBOOK OFFにも立ち寄ったら、道すがら結婚式場みたいな建物があるのが見えまして。「こんな街中に結婚式場? 珍しいな~」と思い立ち止まってよく見てみたら、カトリック赤羽(被昇天の聖母)教会でした〔**〕。

 アッシジの聖フランシスコと、アウシュヴィッツ強制収容所で他の収容者の身代わりになって亡くなったコルベ神父にゆかりの教会ということで、これも何かの縁と、中に入ってお祈りしてきました。教会に足を踏み入れるなんて何年ぶりだろう。

 何を祈ったのかは…検査結果が良性だったことを神に感謝したわけではないのは確かです(笑)。



* 一応Amazonにも売っている。しかも安く。でも本との出会いは一期一会で、町の古本屋は存在するだけで有難いので、Amazonより多少高かろうが現物を置いているところで買うことにしている。ただ、古本屋だろうがAmazon中古市場だろうがカバーに記載されている定価より高ければ買わない、という歯止めはある(笑)。


** さらに見たら「カトリックの信者でなくても挙式OK」とあったので、結婚式場だと思ったのもあながち間違いではない。葬式仏教みたいなものか。

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