第19話 助けた理由
「本人はまだ目を覚ましてないが どうする?」
「一目だけでもお願いします。」
「ここに来て大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。それに助かったんだから、二人にさせましょ。」
・・・
・・・
・・・
「
「なんだ?」
「なんで、俺を助けたんだ?」
「・・・あぁん、なんだ?」
聞き方が悪かったな。
「なんで、俺を優先して助けたんだ?」
「「・・・」」
二人とも黙っている。
やっぱりおかしいよな。俺はシュミール人に足を切られた。傷口が焼かれていたので、血は出ていなかったと思う。死ぬほど痛かったが。ただ、
・・・
二人とも黙っているな。話しをしてくれないかも知れない。
「・・・お前だけじゃない。お前の息子も助ける予定だった。」
理由は分からんが、俺じゃなく、
「お前の息子の方は、運悪くシュミール人の軍隊に鉢合わせしてな、無理だった。・・・スマン。」
俺に頭を下げる
スマンだと!簡単にいいやがって!怒りで頭が真っ白になるが、彼らには非はない。
「・・・話してくれるのか?」
「ああ」
アリーサ、
「アリーサは、軍で何をしていたんだ?」
「私は・・・父と一緒に多くの戦闘を経験したわ。」
「それに回復魔法が得意なんだけど、助けた日本人の中に医師がいてね、その人から医療技術を学び、私の回復魔法と融合する研究を始めたの。そこから、義肢や手術を含めた、今までにない治療が可能になった。これは、まだ私だけにしか使えない魔法なんだけど・・・だからこそ、戦闘が終わるまでは軍からは抜けられないの。」
「・・・アリーサの力にどうしてもなりたくてな。それで俺も軍に所属している。」
「軍に戻らなくていいのか?」
「・・・あの女が動けるぐらいになったら、戻らないとかな。また戦闘が激化するから・・な。」
「先頭になる前に、お前を軍に連れて行く必要がある。」
「・・・依頼者か?」
「ああ、シュヒールヒ=ラナールって聞き覚えは・・・ねぇよな。」
・・・誰だ。俺の足を切ったやつか。
「じゃあ、
「!」
なんで今、妻の名前が出る。5年前に死んだんだぞ!
「・・・この人だ。お前と息子を助けて欲しいって言ったのは。」
・・・こいつは何を言っているんだ?
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