第5話 討伐

魔物を討伐する方法は遠距離攻撃だろうと考えながら、今持っているアイテムボックスにも慣れておこう。リンゴの収穫ができたようにいろんなことができる気がする。


木の窓から外にある土を全力で収納して展開を繰り返す。


土を収納してアイテムボックスに意識を向けると何となく中身がわかった。


大量の土を収納すれば小石や手で握れるサイズの石なども多く含まれているので、分別すると初めての感覚ですぐできなかったが、繰り返すとできた。


取り出した石を投擲して遠くから魔物に当てれば十分攻撃になるので、石を投げる練習もする。


投げた石を収納できるか試すとなかなか動く石を認識できず収納ができなかったが、これも何度か試すとできた。


さすがチート……。


収納、分別、展開、動的収納を繰り返し練習するだけ使えるようになった。動的収納は矢の雨が降っても全て収納できるので遠距離攻撃は完全に無効化できる。


魔物が弓矢を使うなら相手の攻撃を無効化してこちらから一方的に攻撃ができるので、すごい有利に戦闘を進めることができそうだ。


投擲もスムーズにできるようになったのでステータスを見ると投擲スキルが増えていた。


ヒデ(12) 男

Lv 1

HP 50 MP 50

攻撃 50 防御 80 魔力 100

敏捷 60 器用 80

【スキル】

アイテムボックス、投擲Lv1


石でゴブリンを殴り討伐できたので、投擲でも討伐できるだろう。そして、ゴブリンに近づかなくていいので安全に討伐ができるはずだ。


これでゴブリン討伐の目途が立った。


明日は少し南に進んでゴブリンを討伐してみよう。上手く行けば木の実、果物、野草などの収穫ができるし、魔物を解体すれば食料になる。


明日上手く行くか少し緊張しながらも寝るために横になるとすぐに寝ることができた。


朝起きたらたくさん水を飲んで、リンゴを食べる。昨日からリンゴなので飽きてきたが、他に食べるものが無い。皆は久しぶりの食料で喜んでもらえたが、体力的にはそろそろ限界だろう。


村長の家に向かって、挨拶とゴブリンを倒すことを伝える。


『村長おはようございます』


「おはようございます」


『今日も南に進んで食料調達とゴブリン討伐を試してみます』


「危険ではないですか?」


『昨日投擲スキルを習得できましたので安全にゴブリンを討伐できます。もし討伐できなければすぐに逃げてきますよ』


「危なくなる前に無理せず逃げてください」


『わかりました。うまくゴブリンを討伐できたら誰かに解体を依頼させてください』


「はい、気を付けて行ってきてください」


村長は終始心配そうにしていた。


ゴブリンを持ち帰って村長と一緒にご飯を食べよう。どんな味がわからないけどお肉は好きなので今から楽しみだし、久しぶりの食事に村長も喜んでもらえるはずだ。


村の外れまで来るとゴブリンとの戦闘をより実感して緊張する。


少しでも気を紛らわすために周りの土を収納、分別、展開を繰り返すと投擲用の石がたまってきた。石が無くて攻撃ができないことはないだろう。


村から町に続く小さな道を見るとローリー拠点が陥落してから全く人が通っていなかったので少し荒れており、道幅も3メートルほどしかなかった。


適当にそこら辺の土を収納するのではなく、道幅を3メートルから7メートルになるように木や地面のデコボコがなくなるように土を収納、展開して道を整備しながら進む。


今後、デリ村から町への行き来が楽になるだけでもメリットは大きいので、積極的に道の整備をしておこう。


少し進むと早速ゴブリンが見つかった。


何事も試しとアイテムボックスにゴブリンを収納できないか試したができなかった。理屈はわからないが、生き物は収納できないみたいだ。


ゴブリンが走ってくるので石を投げるが、焦って頭では無く胸に当たる。


多少ダメージはあるらしく、こちらを睨みながら立ち止まった。


続けて二投目を投げると頭に当たり倒れた。


まだ収納できないので多分生きているのだろう。


急いで近づき一気に剣で斬りつけるとゴブリンを収納できた。


緊張で心臓はバクバク言っているが、投擲と剣で初めてゴブリンを討伐できた。


投擲スキルでも焦っては当たらないので落ち着いて投げよう。石の取り出しは一瞬で投擲も時間がかからないので、当たれば近づかれることは無いだろう。


そう考えているとすぐに次のゴブリンが来た。


今度はうまく頭に当たり、倒れたところを斬ることができた。


投擲、斬る、収納の流れでゴブリンは討伐できそうだ。


道の整備で木が急に無くなり目を引くのとゴブリンが大きな声を出すので、周辺のゴブリンに気付かれ集まってくるので、早いペースでゴブリンを討伐できそうだ。


一定間隔で出て来るのでタワーディフェンスゲームのようだ。ゴブリンを討伐すると経験値とゴブリンが手に入るので一石二鳥だ。ゲームみたいにすぐLvが上がらないがゴブリン討伐が楽しい。


ゴブリン一匹だと物足りなくなってきたところで複数出て来た。少し接近されそうだったのでゲームで学んだ「引き撃ち」を試してみると危険も無く討伐できた。


これができるのであればゴブリンが何匹出て来ても囲まれない限りは大丈夫だろう。


引き撃ちが凄いハマったのでちょっと嬉しい。もっと出て来い!


その後も同じようにゴブリンを次々討伐していった。まだまだ無双と言うには程遠いがそこそこゴブリンを討伐できた。そして、ゲームと同じで楽しい時間はすぐに過ぎるので夕方になろうとしていた。


夜になると危険なので帰還する。


ゴブリンをアイテムボックスに全て収納しているので、荷車に乗せて村まで何度も往復する必要が無い。そして、今後は様々な食材が収穫できるので食料調達は改善するだろう。


解体も調理もできないので皆に手伝ってもらえないか相談しよう。


そして、皆にお腹いっぱいご飯を食べて満足してもらおう!


ヒデ(12) 男

Lv 3

HP 60 MP 70

攻撃 60 防御 94 魔力 120

敏捷 70 器用 90

【スキル】

アイテムボックス、投擲Lv1


------------------------------------------

次回は食堂の相談です!

皆さんはどんなお料理屋ならリピートしますか?


少しでも面白そうと思ってもらえたら応援と★お願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る