第3話ダメ人間はそんな簡単には変われない。③

 毎回の予約をしてあるのに30分以上待たされ、5分ほどの担当医との近況報告診断を終え、更に会計と薬局待ちでさらに1時間の時を費やす。

 本来なら5分と待つことが出来ず、苛々して自分を抑えられなかったのが、

 処方された薬は常に高速で働いてオーバーヒートしていた脳の処理速度を落とし、無意識行動や無駄な多思考を抑える事に一定の成果をだしていた。

副反応として肝心の生活を改善しようとする意志すらも起きなくさせてもいた。

 また、処方されている薬には2種類の睡眠薬が含まれており、毎晩の確実な睡眠導入と引き換えに、午後まで起き上がることが出来ない怠さが残りもした。

 この生活が日常になり早2年半が過ぎ、その間に得たものは引きこもりには使用する機会の無い障碍者手帳と、自立支援医療受給者証による通院時の自費負担の軽減、障害年金の受給と社会的に紛れもなく障碍者となった社会的裏付けと、食材を買い込みに週2日の近場のコンビニと月一の通院ぐらいしか歩かなくなった体には、ここ2年で15kg以上の体重増加と象徴のような腹回りの脂肪に、他者を拒む為の鎧のように伸びっ放しの全身の体毛、散らかり放題の部屋である。

 活動を制限した肉体は、生活習慣病や糖尿病予備軍、肝硬変手前まで進行した肝臓を持つまでになっていたが、診断内容を他人事のように感じていた。












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