第295話 その事がたまらなく腹が立つ


スサノオは昨日今日と、そして今からと飛びっぱなしになってしまうのだが自分のケツは自分で拭いて頂くのは当たり前であると、わたくし思いますの。





「糞っ!あの羽が生えたトカゲのせいで計画が遅れてしまったではないかっ!忌々しいっ!何がドラゴンであるかっ!あんなものエルフのペットにでもなれば良いものをっ!小癪なっ!!」


そう叫ぶと私は怒りに任せてテーブルに置かれたワイングラスを怒りの感情に任せて投げ飛ばし、それが砕け散る音が響く。


ここ最近、長年温めて来たシャドウクロウに洗脳できた人間側のバカ共を失い、黒トカゲの作戦に至っては上手く行かない処か我々にその火の粉が降りかかって来る始末である。


下等生物共に良い様にあしらわれているこの現状に、私の怒りは治る気配を見せない。


そして何よりも私の真名を知り、老いぼれエルフ等と罵ってくれたあの下等生物の死体が、あの日見つからなかったのである。


死体が無かった事を考えられる理由は一つ。


あの下等生物は私の前からまんまと逃げやがったのである。


下等生物如きが、である。


これではあの下等生物のこの手で殺すまではこの怒りは治らないであろう。


それもただ殺すだけでは私の気が治る訳が無い。


何なら寿命で死ぬ迄拷問してあげようでは無いか。


そして一頻り私はテーブルの上の食器を全て投げ飛ばし、最後にテーブルを蹴り飛ばす。


「フー………フー………ッ、まあ良い。ほんの少し計画が遅れただけだ。いずれはこの世界は全てエルフの、ひいては私の物になるのだから、このイレギュラーも長い目で見れば良い思い出となるであろう」


その為にはまずあの糞下等生物である黒い羽トカゲと人間のメスをどう料理してやろうか考えなければならない。


「フフッ………」


その料理方法を想像するだけで自然と笑みが溢れて来るのだから、奴等も一応は下等生物で劣等種としての役割である『私の生を楽しませるだけの存在』としてはなかなかどうして良くやっている方であると思えて来るので人生不思議である。


そもそも、人と言うのはエルフを指しており、決して人間等という下等生物を指す言葉では無いのである。


であるのに奴等だけでなく長老共までもがあのゴミムシ共を『人間』と呼ぶ。


その事がたまらなく腹が立つ。


何が『奴等は全ての人属の特性を持っておる。故に全ての種族と交配が可能であり、全ての種族の特徴を持っておるのだ。それが持つ意味を分からないお前では無いだろう』だ。

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