第252話 こっそり帰りたい
一応お祝いとしてケーキは出しとこうってことになった。
そして、高村が当たり障り無い総評を述べ、表彰式となり猫仮面のご主人に賞状が渡された。
インタビューとかもあるらしく、ご主人にマイクが渡されたけど……安心してください!優勝時のインタビューを受けた時用に高村作の模範解答を用意してありますよ!
これはギルドから大会出場選手全員に配られている。こんな初めてだらけの大会でのインタビューなんて事故が起こる気しかしないが、テレビ的にはやっとかなきゃいけないらしく、テレビ側からの申し出らしい。
インタビューやんなきゃいけないけど学生に初めて行われた大会の感想とか放送事故が起きそうだから、模範解答用意した方が良くない?ってなったらしい。
因みにご主人は仮面によって声も変わっていて、模範解答文まんま答えてた。
「うにゃぁ?」
俺も観客たちの反応インタビュー受けるかな?
「きっと猫には聞かないと思うぞ」
「キュー」
それはそう。ってなんか洋服着て身だしなみ整えてるけど、俺が聞かれないならお前も聞かれないと思う。
「にゃ」
終わったっぽい。ご主人は学校の奴等とわちゃわちゃしてるので、俺は高村に帰ると連絡してキャリーリュックに入る。
ここに猫など居なかったのだ。という顔をして帰らねばならない。
特区の奴等に見つかったら厄介なので隠蔽系は大量投入中だ。グレイはイケメンで目立つので、俺は霞むはず!
「どうやら颯人様たちもその場で解散のようだな」
一緒に帰れるなら一緒が良いに決まってるので待つことにした。
「お待たせ、早く帰ろう」
まだ仮面を着けたまま、そそくさと移動するご主人。
大変だなぁ。
「じゃあしっかり掴まって」
ご主人がグレイにしがみついて、グレイが空を飛ぶ。
まぁ帰りは大変だろうし、グレイがご主人持って飛んで帰ろうってなったのだ。
そのため、グレイは黒髪のカツラをかぶって普通の服を来てる。流石に牛柄ヘアも執事服も分かりやすすぎるからな!
「落とさないでね!落とさないでね!」
「颯人様くらい軽く持てるが?落とすわけ無いだろ」
「人間は飛べないんだ!」
「猫すら飛べるのだから人間だって飛べるだろ」
足がつかない高い場所という恐怖からか、ご主人が騒がしくなってる。
因みにグレイの言う猫は俺じゃなくて飛行魔法をゲットして飛び回る近所の猫だ。俺に飛行系のスキルは無い。
まぁ魔力板に乗って魔力板を動かして移動するのを飛行というなら、俺も飛べるんだけどな。
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