第250話 準決勝
高村と雑談してたら決勝トーナメントが始まった。
決勝トーナメントの初戦は各ステージの予選決勝になってるので、ご主人は第一試合である。
まぁ盛り上がりもなく、走って距離詰めてズバァで終わったんだけどな。
「にゃにゃ?」
「それにしても今はそんなこと無いのにご主人が紙広げてたら上に乗りたくなるの何なんだろ?と全く関係ないこと考えてるぞ」
高村の他にも解説席には居て資料をバサバサしてるのに、なんとも思わないんだよなぁ。
ご主人だとノート広げたらノートの上に乗りたくなるのに……
「キュ」
「ほら、ヤクシ先輩に応援しなさいとか言われてるぞ」
「うにゃ」
「まぁ確かに見に来てもいないマリモちゃん先輩よりは……まぁ」
マリモちゃんはどうせご主人が優勝でしょとか言って来なかったのだ。
元は苔のくせに直射日光大好きだから、家で光合成してた方が楽しいとか言ってた。
『強い!謎の猫仮面が強すぎる!』
決勝トーナメントに入ってから実況がうるさい。
他の人達の試合は、まぁ拮抗してる感はあるけど俺からしたら弱すぎてショボい。
「これで売れるんでしょうかね?」
高村が呟いたので思い出したけど、この大会って闘技場システムの御披露目みたいなものだったよな?
注目を集めて闘技場システムを発売するための広告代わり。
「にゃにゃ」
「悪用しようと思えばいくらでも出来るから売れるのでは?とマスターは言ってるが」
「……なるほど、確かに悪用し放題ですね」
人体実験とか拷問とかに使われそうだ。
「ちょっと仕様書調べますね、ダンジョン産レシピなのでその辺は配慮されてそうです」
高村はパソコンをカタカタし出した……なんか静電気パチパチしてますけど?ハッキングしてません?
まぁ猫には関係無いな!
おっ!ご主人の準決勝が始まる!
「…うにゃ?」
…あれ?なんか普通に打ち合い始まってる。
「颯人様がエンタメを気にして手加減してるだけでは?」
あー……そんな感じある。
たぶん俺にしか聞こえないくらいの声だけど、ご主人が大振りやめてとか、隙作ってるんだから攻撃してよとか、言ってるのが聞こえてくるし。
「にゃにゃぁ」
ご主人が苦労してる。
「だいたいがマスターのせいだと思うぞ」
いやぁ?ご主人が強くなるのに悪いことなんてあるわけ無かろ?
「うにゃ」
「弱い学生たちが悪いって言いきった…」
「キュ」
ほら、ヤクシだってそれはそうって同意してくれたぞ!
因みにご主人、俺とじゃらしで戦ってるので普通に動体視力と反射神経は凄いから見て回避余裕らしく、見て剣に当てに行くのも余裕らしい。
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