第230話 玄関扉を開ける
ありきたり謎だ。木の枝に鳥の巣箱があって、その中に紙が入ってた。
「うにゃ」
今度はクロスワードパズルか。
「キュー」
統一性も無いんだね、とヤクシが呆れてるがこれランダムで毎回違うみたいだから、さすがにネタ切れなのでは?
「えーと、メイロチュウオウだな」
……反対側なんだが?
『無駄にー広い庭はーこのためかー!』
動きたくない系のマリモちゃんはプンスコしてる。でも浮いてるんだし歩いてる俺とグレイよりは疲れないでしょ?
「キュー!」
僕取ってくるー!と迷路を無視して飛んで行ったヤクシ。ですよねー!な感じ。
戻ってきたヤクシが持ってる紙には、玄関扉から南に30、東に30、北に5、西に3、と書かれていた。
「にゃぁ」
歩数なのかメートルなのかそれが問題だ。
そして、俺の一歩はどういう数え方をすれば良いんだ?前足だけか?あと歩幅。
「にゃ?」
あと南ってどっち?
「南は玄関扉から見てダンジョン入り口側だな……俺に搭載されてるコンパス機能がバグって無ければだけど」
グレイってコンパスも混ぜてた?記憶に無いなぁ。
「キュー」
とりあえず人型はグレイだけなんだから歩幅でやってみて。とヤクシに言われてグレイが歩数を数えながら移動。
そして、グレイの目の前には寄せ植えされてる植木鉢があった。
うん、まぁ、不自然に植木鉢が置いてあるからそこだとは思ってたよ?
ダンジョンさんも実はこのギミックめんどくさいとか思って無いか?
グレイが植木鉢を調べて、植木鉢の下に紙が置いてあった。
えーと、絶対ネタ切れだ。
「決して止まることのない流れの中に鍵はある……玄関行こうか」
止まることのない流れの中とか、噴水しか無いんだが?もう少し、こう、戦闘混ぜたりして工夫すれば良いのに……
「開けるぞ」
グレイ以外は鍵を開けるのが難しいので(出来ないとは言ってない)グレイが扉を開けるんだが……ほら、執事みたいに扉を押さえて道をあける開け方したんだよ。
ビュンッ
「にゃ?」
何か今通った?
俺の頭上を何かが飛んでったんだ。
「矢が飛んでったな、罠の設置場所もランダムとか書いてあったが、こういうのもあんのかぁ」
『見事にー初見殺し罠をースカしましたねー』
……まぁ矢の位置は人間の胴体位置だったので、普通の猫サイズである俺の上を素通りしていったって訳だな。
ダンジョンさん?え、ダンジョンさん?
なんか、大丈夫ですか?
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