なぅなぅなぅなぅ

第227話 新幹線で移動中


私、今、新幹線の中に居るの……



というわけで、ご主人のお休みに合わせて遠出している。


目的はセカンドドアの設置だ。C級ダンジョンなので、ご主人は入れないが新幹線に乗るには飼い主も一緒じゃないといけないので仕方ない。


まぁ関西方面なので、一時間ちょっとだ。


「うにゃぁ」


転移があれば便利なのに。と愚痴をこぼす程度には飽きた。ずっとキャリーリュックの中に入ってるので寝るしかない。


「転移かぁ、ダンジョンの転移陣の研究してる人は居るけど、成果はないよね」


あー、やっぱり居るのかぁ。


「キュー?」


大賢者なら使えるでしょ?とヤクシに不思議そうに見られた。


「にゃ!?」


使えんの!?


「えぇっ!?」


「大賢者は特殊属性魔法も使えるようになる筈だが?」


グレイも何を今更みたいな反応してる!知らないが!?知らなかったが!?


「にゃにゃ!?」


それ高村も使えるってこと!?


「あ、そうだよ。高村さんも大賢者でしょ?だけど転移とか聞いてないよ?」


『ヤクシもーグレイもー知識を詳しく検索してー』


「キュ」


「あ」


何?何なの?お前らだけでなんかわかりあってるんじゃないよ!


『特殊属性魔法はーダンジョン深層宝箱からー魔法書をゲットしてー読まないとロックされてるのー』


……はい、かいさーん。深層の宝箱とかムリー。


『因みにー、転移陣とか載ってるー魔法陣の本もー深層の宝箱からー出るよー』


「うにゃ」


おっさんに頑張ってもらうしかないな。


「はえー、今の高村さんに教えとくね」


あ、そういえば高村も深層まで行けるんだったな……まぁギルドの仕事が有るからいけないだろうけど。


にしても転移が使えるようになるかもなのかぁ。夢が拡がるな!時魔法とか空間魔法とかロマンだよな!


「うにゃー」


というか自分が魔法タイプなの忘れるよな。


魔力も使ってるけど、基本的にフィジカル押しだからな。俺にひっかけないものはないのだ!


「ミロクだとだいたいが猫パンチ一発だもんねぇ」


「レベル帯に合ってないダンジョンにしか行ってないからな、そもそもが戦力過剰だしな」


「にゃあ」


行く予定のC級ダンジョン研究者の屋敷もレベル帯としては40後半くらいだからな。


ヤクシたちには良い場所かもしれないけど、俺には低すぎる。


「研究者の屋敷ダンジョンかぁ、僕は入れないもんなぁ」


レベル的には良いんだろうが、基本的に探索者学校では2年生になった後で、学校の試験として中級の筆記試験を受けるらしい。


「謎解きとかもあるから不人気ダンジョンらしいけど、行ってみたいなぁ」


ご主人、クイズとか推理小説とか好きだもんな。俺の配信見ながら楽しんでくれ。


たぶん謎解きとか苦戦するだろうな、だって俺達大概脳筋だもの。


猫に謎解きを求める方がどうかしてるとおもうので、グレイには頑張ってもらおう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る