第223話 閑話 佐藤


専業探索者なのにいつの間にかギルド職員のアルバイトみたいな扱いになってるのなんなん?


あれやな、あの猫に関わってから俺の人生設計がおかしくなっとるんやな。


いや、猫っちゅうか高村副ギルド長……なんでもあらへん。


最近では知り合いの探索者連中にツッコミエルフとかあだ名付けられて、ホンマやってられへんわぁ……


これでも狩人として1人でやれるくらいの腕はあんねんけど、最近だとギルドからの指名で探索者学校関係の依頼やらされとんのは、あの飼い主の担当みたいになっとるからや。


俺としてはそこまでアイツ等と親しくもないから、俺やなくてもええのんちゃうかと思う。


てか……


「副ギルド長から指名で素材採取の依頼入ってんねんけど、これなんなん?」


あまりにもあんまりだったので、ギルドの受付に確認した。


「え?見せてください………」


黙った。


依頼見て黙った。え、こわっ。固まっとるやん。


「確認しますね」


あ、再起動したわ。でもこわっ。ニッコリ笑顔で確認する言うたで?


電話でなんや話してたんやけど、ため息ついて俺の方を見て申し訳無さそうな顔しとるやん。やな予感しかせぇへんな!


「申し訳ありません」


「やらなあかんのやな?」


「はい、佐藤さんが必要だと判断されたそうです」


「いやいやいやいや、なんで俺が必要やと判断されたん!?魔女の家で魔女笑かして涙流したら魔女の涙ドロップするか検証とか無理やて!俺芸人や無いんやぞ!?しかも俺1人やろ!?」


そんなんどうやって検証すんねん!1人ノリツッコミでもやれっちゅうんか!


「爺婆が関西人やから家族の口調が関西方面なだけで産まれも育ちも東京やっちゅうねん!お笑い精神とか持ってへんわっ!」


ザワワッ!とギルド内がざわついた。


「「「似非関西弁だったの!?」」」


「似非言うなや!家族が関西弁のなかで育ったら関西弁になるやろが!アメリカで育ったら英語の方が話すの楽なんとおんなじや!標準語やとムズムズすんねん!」


しゃーないやろが!


「あのー……副ギルド長が、ツッコミまくって来るのが検証だから良いと」


「ツッコミが必要だ!とか変なユニークの検証してどないすんねん!…あ」


「ユニーク…?」


「ユニークスキル?」


「ツッコミが必要だ!っていうユニークスキル?」


「あーあーあー…」


「やっちまったな…」


「え、まさか…」


「誰もユニークスキル言いたがらないのって…」


や、やってもうた!


「お、俺依頼行ってくるわっ!」


急いでギルドから逃げて、魔女の家にダッシュ。


ギルド内から逃げた!とか聞こえたけど俺は止まらへんのや!



ホンマこのユニークスキル要らん!勢い余って何言うかわからんのヤバいやん!ダンジョン何考えてんねん!




でも、やっぱ俺の鬼門て副ギルド長やんなぁ…

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