閑話

第222話 閑話 グレイ


「うにゃにゃにゃぁん」


我がマスターであるお猫様に、ある日突然そう言われたのだった。


言われたからにはやらねばと、マスターから金をもらい、準備した。


というわけで、ドン!


「グレイのお料理動画始まるよー」


料理系配信者ドールとしてデビューすることになった。


「俺の動画は毎日作る料理レシピと作り方を配信するだけのものになっている。勿論我がマスターお猫様のお料理動画出したらいいよという発言がきっかけだ」


とりあえず朝ご飯を作る。


ご主人はパンで済ませたりもするが、朝はしっかり食べないと学校で腹が減るだろ。


米を洗って早炊きでセット、出汁は顆粒出汁だが味噌汁も作るぞ。


「長ネギなんかは切って冷凍しておくと時短になって便利だぞ」


味噌汁は具材が何でも味噌汁になるからバリエーションあって良いよな。本日は長ネギとシメジと油揚げだ。揚げ茄子なんかも旨いぞ?


あとは便利グッズで作る温玉に、茹でササミと温野菜の梅じそドレッシング和え、アジの味醂干しを焼いたもの。


ちなみに、アジの味醂干しは手作りした。魚を大量に手に入れたので干物や燻製も作ったのだ。


ダンジョンって広いし気温や湿度は一定だから管理がしやすいし、魔女の家ダンジョンなら汚れる心配も無い。


ついでにシェフ型ドールがたまに干物の管理をしていた。


勿論魔女には場所代代わりに魚を渡しておいたぞ。泣いて喜んでた。


「さて、朝ごはんは終了だ」


一旦止めて自分で動画を編集する。テロップ入れて調味料の分量等をまとめて貼り付けたり、最後は一食分のお値段も入れて編集終了だ。


平行して用意していた弁当の分の編集も開始して朝ごはん編の後に繋げる。


ちなみに弁当にはササミサラダと油揚げに甘辛い味付けのひき肉を詰めて焼いたもの、卵焼きに作って冷凍していたアスパラのベーコン巻きを入れている。


動画は1日分として出すので、夕食が終わったら公開するのだ。



……俺、ハイスペックなユニークドールなんだが、本当にこんなんで大丈夫なんだろうか?


もっと、色々やれることあるんだが?


俺が言うことじゃないかもしれないが、凄く勿体ない使い方してないか?大丈夫?


『マスターは猫だからー仕方ないのよー』


……マリモちゃん先輩、そうだな!猫だから仕方ないよな!いやぁ、ユニークドールとか全然だ、だってドラゴンをペット扱いしてるんだから。勿体ないのレベル超えてたな!


俺、これで良いんだな!

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