アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏);Mallotus japonicus
春先の新芽と稚葉は、毛が密生していて鮮やかな紅色ですが、成長するにつれて緑色となり、赤色を帯びた長い柄をもつようになります。初夏に白色の花を穂状につけ、秋に軟らかい針がついた果実が熟します。この実は秋に裂開し紫黒色の光沢のある種子を出します。
日本の代表的な民間薬の一つで、樹皮には、ポリフェノールの一種であるベルゲニン、ルチン、タンニンが含まれていて、胃酸過多、そして胃潰瘍の改善、胃液分泌の抑制、肝臓保護作用などがあります。葉は腫れ物、痔に煎液が用いられたり、乾燥品を風呂に入れて入浴剤として用います。また、日本薬局方に記載の生薬で、樹皮は
十八歳でハンセン氏病を患い、病苦の中、多くの短歌を残したアララギ派の昭和の女流歌人、津田治子の歌集に赤芽柏を詠った作品が残されています。
青樫も赤芽柏も吹きなびけ来れば吾もその風の中
赤芽柏の広き葉ぬれてゆく見ればほとほと音に立ちて来る雨
(「津田治子歌集」より)
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