第52話 男の性だと思ったら
朝かな、ここは馬車の中?窓の上の隙間から光が入ってきてる、昼くらいか半日以上寝たんだ。
「キャー、早いー」
ばたた、ばたた、ざー、ばたた。
ナクの足音だ子供たちを乗せてるのか?。
流石に気付いた、下半身にマナを使っていた、考えれば当たり前か男は必ず身体強化の能力を持つ。
目だと思っていたが自分のマナの扱いが器用なんだ。
これだけのオッパイの中で固くなってもマッチでいられる。
テミスさんの上で寝ている、セリアーヌさんが横で手を握ってる、クリームさんあまり弄らないで、リリカ、フクリちゃんやコハクちゃんまでパンツこそ履いているが皆裸で私を見ている。
「有難う」
皆微笑んでくれる、肌の触れているところが温かくて力が満ちるのが分かる。
「このこだれ?」
例の可愛らしい兵士さんが裸で一緒になって寝ている。細い髪でツインテが似合っている、目が合ったらフィッと横を向いた。
「ミレイ、あまりに酷いマナの薄さだったから手伝った」
体が見えにくいように縮めている。
「一人増えても大丈夫?」
クリームさんが言うとミレイさんの耳が真っ赤なってるのが見える。
「昨日声を掛けたら逃げられました」
「君のマナに充てられたのよ、いっちゃったの、あたしよりマナに敏感なんだってぇ」
「染み込んできたの、せき、に、ん」
クリームさんやリリカの反応がいいし微妙な腰の柔らかそうなラインが若々しくて実にいい。
「雲のように優しそうな方ですね、来ていただけるならうれしいです」
さらに小さくなって頭を上下に動かしている。
テミスさんに抱きしめられた、相変わらずの束縛力、あれ?、空気が固い?
「フードコート開店でーす」
リサの優しい声が聞こえる。
「ふふ、豊穣の雫だって」
「耳元で遊ぶ小動物」
「子羊のように愛らしいって」
「澄み渡った空のようだと」
「心を抱いてくれる人だって」
精神にもマナがいるなら又無くなるところだ。あと十人分考えとこう。
「パンとお肉があと少しなんだけど」
トレイを受け取るときにリサがささやいた。
「直ぐに用意する、大丈夫完全復活だよ」
知らずに眉を顰める彼女に元気アピールをすると笑ってくれた。
昼は揚げ物解禁、唐揚げ、ポテトにカツサンドのコンボ、焼きモロコシのおまけつき。食えるようになったなぁ。
今度は自由にと一人にしてくれた、みんな大好き。
ナクたちの肉も狩らないと、ああ一昨日の熊がいつの間にかある、肉食系は美味しくないから進んで狩ったことが無い。
ユウが熊との間で輝く瞳をしているから大丈夫か。
兵士さんたちに頼むと気持ちよく了解してくれた。
ジョイさんが巡回に行ったようだ、アルマジロ鎧が着れるのが良いのか気が付くと居なくなってる。まてよ、ひょっとして。
ウィンドウで追いかける、ビンゴ!。
兵士の一人に赤髪天パを伸ばしたせいで髪が燃え上がるように膨れてる女性が居た。
髪に負けないダイナミックボディを振り乱して岩にしがみ付き後ろからジョイさんに攻められてる。
鎧でドーピングしたジョイさんは正に襲い掛かる獣のシルエットで、鎧の端で大事な所が見えない彼女の痴態は野性的で大迫力。
ウインドウを閉じると何だかほっこりする、この間どう処理しょうかと思った相手と抱き合ってるのが嬉しかったのかも知れない。
ジョイさんは大丈夫だろうか、私には魅力爆発の彼女だけどよく見ても三十なか・、ジョイさんは二十二以下のはずだが、好きならいいよな。
「ごはぁぁああ!!」
背中に来る衝撃に激しい既視感があるぞ、やっぱり動けない。
ぶちゅうぅぅぅ!。
「はあはあ、オムルゥゥゥ、むちゅうう」
でも今は分かってしまう、知らずにとは思う、占い師に聞いたかもしれない、温かいマナが満ちる。
さっきガラさんに聞いた三分の一の男は股間にマナを集めすぎて倒れた経験があるらしい。
久しぶりにおっぱいを揉んでみる、揉みやすい位置に体を放してキスを続ける。
母さんは本物の母さんだ。
抱き上げられて向かい合ったら思いがけないことを言う。
「のむ?」
「へ?」
「昨夜から又出るの、のむ?」
命中率高いな父さん!?、それと反応速すぎるぞ母さん!!。
「こいつ着たままだっ」
「脱げあほう!」
「女ども逃げろぉ、妊娠するぞー!!」
帰ってきたのか、前よりも酷い言われようだな。
「じゃあセリアーヌさんとマリナさんでこの目録に数を書いて手紙にしてください。」
このままじゃ大混乱になると、いや、なってるのを見て預かり証を出すことにした。
数が合わないくらい勘弁してください。
個人の分は申告制の立て看板を出す、リリカチェックで渡すつもり。
「マイケスさんの舘行きまーす」
「はーい」
剣や槍を掻きだす掻きだす、それを取ってテミスさんの前を通ると数をチェックされる。
今日は噂が広がったのか武器をあちこちに隠している。土の中やトイレの中、肥の中にも有ったがウィンドウは指定物以外通らないので問題なし。
「コグトさんの館入りまーす」
「はーい」
鉄物を掻きだしながら中洲の様子を見ると一家が私の馬車に荷物を積んでいた。
自分が守り切った湖で暮らす、理想の余生をプレゼントされて浮かれていたそうだ、奥さんが三人と娘は一人で男を迎えている。
他の娘は嫁に出ているらしい。
護衛兼監視の兵がいるが町に行くのも止めなかったそうだ、ツキヨミ様が居るからね。
出るのは明日だけど、ああ家族が一晩でも寝てみたいと、娯楽は少なそうだし、じゃあ明日。
リリカがポニテを揺らして武器の中をあちこちに動いている、とってもシュールで且つ可愛い。
手にした武器を隣の山に投げた、分かるんだな、みんなすごいな。
「コキトさんの館入りまーす」
「はーい」
ウジルノウ配下の最後の館。
武器を掻きだす掻きだす、残すのは農具や包丁、装飾過多な武器。
最後に部屋の柱の隅に隠していた槍を手にした瞬間に柄を掴まれた、子爵が必死になって引っ張っている。
引っ張られた体をナツフカさんが抱き留めてくれる。
今日は誰かの膝の上で作業をしている、疲れすぎないように。
「誰か来てぇ」
ナツフカさんの柔らかい声が広がる。
デバスさんが手伝ってくれる、勢いよく引いたとたんに、前にコキト子爵がいる、館の中で。
子爵が叫ぶ。
「お前かぁ、化け物がぁっ!!」
デバスさんのボディブローが炸裂する。
「ご、ごべぇぎょうぁぁぅ」
動かなくなったよ大丈夫?。
「かなり手を抜きましたよ、これが秘密ですか?、どこなんですここ?」
「コキトさんの館ですね」
「旦那様はすごいです」
私を抱いているナツフカさんがほっぺたを押し付ける。
隣の部屋に逃げ込んで整理する、ヒントは昔失敗した火掻き棒、ウインドウ内の作りかけの蒸気機関を取ろうとして火掻き棒を握った手がウィンドウに触れてしまったときに、こちら側に問答無用とばかりに火掻き棒が表れて壁を破壊した。
今がその状態だとしたらウィンドウの境界には裏表がなく振れた物体がどちらに元々存在したかで結果が変わるぐらいか。
つまり事故だな、私の今いるあたりに置物でもあったらミンチだ。
「旦那様、どうしました?」
「旦那様が倒れています!、誰か、誰か来てくれぇ」
近くで声がするので慌ててウインドウから箱車を出して二人を送る、実験が出来ないので私だけ同じ状況で。
「広い所でその棒をここに出して、そう、じゃあ引くからそのまま持っててね」
無事帰還するも体調は少し悪い気がする、埃とかのせいかな?、分からないからそうしとこう。
今度はこちらが大騒ぎだ、武器がわらわら出てくるのは許容範囲なのに何でだ?。
答えはヨミーSが倒れたから、二人を愛おしそうに抱いてママさんが教えてくれた、武器を掻き出すとこは彼女たちが説明してたらしい。
「それじゃあ休けーい!」
騒がしくて作業にならないし。二人の様子も確認したい。
大きなリクライニングチェアーを作り二人を寝かせてもらう。
「どう?」
ナツフカさんに抱っこされたままなので恰好が付かないな。
「大丈夫そうです、プリンの夢を見てますね」
むにゃむにゃ何か言っている。
「どうしたんでしょう?」
「最後、許されてるって言ってましたね」
「聖なるとかそんなのに当てられたんでしょうか?」
「怖いですよ、そんなこと判るもんですか」
確かに。
「旦那さまーっ!」
第三波が来た、一緒の方が良いと思ったんだ。
「お元気ですねよかった」
セミスさんが挨拶してくれる。
「間に合って良かったですね」
「この先は緊張するから助かったよ」
知らない方の男の方が軽く会釈してくる、悪い人ではないな、単に惚れただけか。
「駄目だよボーク、彼が私たちの目指すお人だ、有難うございましたこの剣も、とても役立ってます」
兄貴が長文をしゃべった、いえ、失礼。
お茶が出たので旅の途中の話を少ししたらそわそわしだした。
「なに?」
「いやいや、あれどうなってんです?」
セミスさんが上を指さすので見ると、セリアーヌさんと母さんが模擬戦をしている、さっきから飛び回っているので忘れていた。
「いつか出そうと思ってる風装備の模擬試験ですよ」
スピード優先の少し直線的な動きと羽の大きさを自在に変えながらヒラヒラ飛び蹴り技を出すセリちゃん。
母さんが左手の盾でブレーキをかけて左旋回して回し蹴りを交わして右鎧を腰に当てて勝利になった。
圧力戦法を捨てて挑んだけど一歩届かなかったセリアーヌさん。
ひと段落したし後は時間がいる、そうだ母さんが呼んだ人ウジさん邸に行ってもらおう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます