Q6 & Q7: 買収の裏事情と日本企業の将来

Q6

 最後の買収の種明かし(五章の「3. 同じ方向」)は圧巻です。情報のリークで丸高の株を取得し、丸高と暁で合弁会社を作って、村雨の電炉に卸すための還元鉄を作る。その後の事業展開(エピローグ)も、鉄鋼貿易部をナザリ・グループで固めたり、高原製作所に旧型のヘリコプターの部品を作らせたり、グローバルなビジネス視点が無かったら書けない内容です。この辺りを書くために調査したり、悩んだりしたことがあればぜひ教えていただきたいと思います……。


A6

 もともと経済には興味があって、経済のニュースや経済番組などは必ず見ていました。「倒産の話を小説で仕上げる」と心に決めてからはずっと、鉄鋼関係のニュースにも目を光らせていました(笑)。ただ、鉄鋼関連は今ではそれほど大きく取り上げられるわけではないので、書き直すときに調べ直したりしました。


 国際関係は、とにかくこちら*にはいろんな方がいるので、びっくりするような話を聞くことが多く、そこから空想につなげていきました。ヘリコプターの会社は友人が経営しているのですが、世界中からパーツを集めて高い値段で売っているそうで、その話を聞いた時に「日本の町工場だったらうまく作るだろうに」と思ったので、書いてみました。


* 月森さんは海外にいらっしゃいます。


. . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜ . . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜


Q7

 確かコメントか近況ノートで、「日本の企業はもっと海外でビジネスを広げられるのに……」といったことを具体的な例と共に書いていらっしゃって興味深く拝見しました。ここでもう一度、丸高のようなおっとりとした日本企業が海外で伸びていくためにできそうなことを、海外で生活していらっしゃる視点で挙げていただくことはできますか?


A7

「安くていいもの」の感覚を捨てることと、値上げを恐れないことだと思います。

 それは、一社だけでやるのは無理だと思います。社会全体が「値上げせず、賃金据え置き」の様な後ろ向きの政策ではなく、値上げをしてその分を賃金に上乗せする、など、経済を積極的に回せるようにできればいいのではないかと。


 もしもその値上げ分を国民が使わずに銀行に預けるなら、銀行は将来のある企業にもっと投資をする。外国に出してしまった仕事を国内に呼び戻す。など、できることはたくさんあると思います。


 地方の都市ではそのような取り組みがなされていたり、子供の特性を伸ばす教育をしているところもあると聞きました。そういう動きが全体に広まって行けば日本はもっと活性化すると思います。


 市場を世界に広げたいのなら、外の世界を理解するべきだと思います。外国は、日本とは全く違う常識で動いています。それがわかれば、少しでも有利な条件で取引ができるのではないでしょうか。少なくとも私の知っている外国は「安くて質のいいもの」にそれほど価値を置きません。高くても「欲しけりゃ買う」んです。(笑) 


(イ)

どうしよう、日本の首相になって欲しい笑 そう、日本の鎖国マインドは 170 年経っても変わらず。この先どうするんでしょう。



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