クリスマス編 夢を語る【side香椎玲奈】
さて今度は承くんの質問の番だよ!
12/23 時刻は21:40盛り上がってまいりました!
承くんは私の何を知りたいのかな?
承くんは恥ずかしそうに、でもしっかり問うてきたよ?
承『最近ね?人の夢に触れることがあってね?
…俺…まだ無いんだ…恥ずかしい、俺高校生にもなって、まだ人に胸張ってこうなりたい、こうゆう事をしたいって無いんだ…。
子供なんだよね…。
…前に一回聞いた、でもその時は教えてくれなかったんだけど、勿論無理ならいい。
…香椎さん、玲奈さんの夢ってなに?』
ああ、あの時の?
109話 夢と学び 参照。
私の夢…。張本人の承くんに言えないよ!ってなったんだよね。
で、本人が夢叶うよ!夢叶ったら教えてね!って言ってて。
本人に報告するの?!って思ったなぁ。
そっか、承くんはまだ覚えてて気になってるんだ。
その思いは、夢は変わらない。
でも、あの頃種にもなってなかったもうひとつの夢が今私の中にある。
…こうゆう話は直接会って語り合いたいなぁ。
ま、良い機会かも。
…私の夢はね?
『…うん、人に初めて言うよ…。』
承くんが前のめりになる、そんなに知りたいのかな?
『私の夢は、【弁護士】になる事。』
承『おおぅ…。』
『私の夢はね?
昔、大勢の敵に囲まれて泣いてた私を、ひとりで暴力とかは使わずに一歩も引かずに私を守ってくれた人が居た、強い思いと熱い言葉で…。
私はその姿に憧れた。
全然形は違うし、そうゆう意図は無かったかも知れない。
私はそうゆうピンチでひとり心細くて泣いてる人の助けになれる人になりたい。』
93話傾け傾け!
94話火を吹く!参照。
今でも思い出すだけで頬が熱くなる。
私にとって忘れられない一時だった。
きっとそんなに甘くない仕事だって事も、正義の弁護だけでない事もわかってる。
それでも、あの時味方が居なくって心細かった時、1人何があっても味方してくれた、その気は無かったであろうけど私を弁護してくれた姿に私は夢を見た。
…もちろんまだ誰にも言ったことが無い。
承『…そんな事があったんだね…、格好いいな。
それは憧れちゃうね…。』
承くん?ちょっと…?
何感心してるのー?!
君のことでしょ!
…でもこの流れ『君の事だよ!』って…私、言えない、言えないよぉ…。
やきもきしながら承くんを見つめてると納得はしたのか。
承『スッキリした!そんな夢があったんだね!
きっと、いや必ず玲奈さんなら叶えられるよ!
俺確信してる!』
承くんはそのあと、人の為になるような?何かを見つけたいって言ってた。
承くんらしいね?私も応援するよ!って言うと
承『あ!去年もこんなやりとりだった!』
ってふたりで笑い合った!
楽しいね?今年はプレゼント交換は無かったけど夢を交換出来たね?
来年は関係が…変わっていたらいいなぁ…。
そんなまったり、嬉しい楽しい通話に何か聞こえてくる!
ひー『にいちゃーん!あれ?でんわ?』
望『ひーちゃん拭かなきゃダメー!』
チラッと承くんの後ろに半裸の望ちゃん!
ダメだよ!ほぼ隠れてないでしょー!
望ちゃんは承くんの通話相手が私だと気づいたみたいで、承くんの肩に顎を乗せてこっちにニコニコ手を振る!もう裸でしょー!
望『あ、先輩こんばんわ!こんな格好で失礼しまーす!』
承くんの手前からにゅってひーちゃんが下から出てくる!
ひー『かしちゃん?こんばんわ。
…ぱじゃまかわいいね?』
ひーちゃんはお上手!承くんもこうゆうとこ見習って欲しい!
私は立花家の三兄妹弟に挨拶をして、最後にメリークリスマス!って挨拶して通話を切った。
こうゆう間違いならいつでもウェルカムだよね。
明日は新二さんランチとクリスマスケーキサプライズか。
忙しくなるぞ!私は明日が待ち遠しい!
☆ ☆ ☆
12/24 side立花承
昨日は押し間違えて香椎さんにロインでビデオ通話してしまった…。
しかも間違いなのに気持ちよく会話してくれて楽しい一時だった!
交換で俺は夢を聞いて、香椎さんはなぜ紅緒さんの告白を受けなかったか聞いてきた。
…君が好きって言えたら良かった…でも、俺は一度逃げた男…でも…。
自分に自信が持てたら好きって言えるんだろうか?
一晩そんなことばかり考えていたんだよね。
さて、今日はクリスマスイブ。
当然去年同様、いや去年以上にひーちゃんと望はフィーバー中!
買ってもらった真っ赤なサンタ帽をかぶってひーちゃんは大騒ぎ!
朝から飾り付けして、料理の支度手伝って、まさにクリスマスパニック!
今年望は母さんの料理の助手をするって言ってずっと母さんに付いている。
どうしよう、手料理食べさせたい男とか連れてきたら…
父さんも俺も心安らかには居られない…!
飾り付けや玄関、庭の掃除をして、爺ちゃんと婆ちゃんと一緒に片付けや大掃除を兼ねた整理をして、もう15:00。
母さん『承、ひーちゃんとコンビニ行ってジュース買ってきて?』
買い忘れ品をひーちゃんの散歩兼ねて行ってくるよ。
寒冷地のこの県としては暖冬で雪は少しだけ。それでも寒いから防寒はしっかり!
ひーちゃんは最近購入した熊に似せたモコモコの上着がお気に入り。
熊耳付いてるフードかぶって、
ひー『がおー!』
望『お姉ちゃん食べられちゃう!』
これは何の遊びなんだろう?って展開がよくある。
歩いて幼稚園の横を通り、小学校の横、いつもの歩道橋を渡り西エリアへ。
そう言えば香椎さんはイブの今日は用事が多くて忙しい、夜は家族とクリスマスって言ってた。
…彼氏とクリスマスなんて言われたら…辛いなぁ…。
俺、どうしたら…。
また考えが堂々巡りしはじめる。
ひー『にいちゃん?
うたおうよ!
もーしーじしんをなーくしてー♪
くじけそーになったらーいいことだけ、いーいことだけおもいだせー♪』
ひーちゃんと手を繋ぎながら一緒に歌って歩く。
丸い顔したヒーローは良いこと言うなぁ…妙に歌詞が刺さる。
目当てのコンビニは西エリアの中央、朝登校時青井や伊勢さんとの待ち合わせでも使用する毎日通ると言っても過言でない場所。
香椎さん家まで5分もかからない。
…でもここで香椎さんに会ったこと無いんだけどね…。
コンビニでひーちゃん希望のリンゴジュースと俺が大好きコーラを購入して帰る。
袋に入れて俺が持つ、ひーちゃんは買ってあげたラムネをもう口に入れてる…。
ひょっとしてひーちゃんも太らない体質なんだろうか?
コンビニから出ると、
ひー『あ!かしちゃんだ!かしちゃーん!』
え?!
ひーちゃんが走って行く先には香椎さん?!
ってひーちゃん走るな!
最近ひーちゃんがちょっとだけ!って小走りしたがる。
…俺は正直に言うと紅緒さんの話を聞いてからひーちゃんの体調が心配で心配で仕方ない。
小走りは止めて!息上がってない?!
香椎さんも目をまんまるくして驚いていた、
香椎『ひーちゃん?あ、承くんも♪
昨日は電話ありがと♪』
ひー『にいちゃん!きょうのかしちゃんおひめさまみたい!
かわいいね?』
ひーちゃん?!
確かに今日の香椎さんは…髪をアップにして惜しげも無く首筋とうなじを露出してる。寒く無い?
着てるのもカクテルドレスって言うの?
ノースリーブでヒラヒラしたパーティー!ってドレス。
水色のレースをあしらった綺麗な細いデザインに薄いピンクの肩掛けみたいな物を羽織っていて…コンビニに着て行く物じゃ無いでしょ?それ絶対!
高めのヒールも履いててスラッとしててみんな香椎さんを振り返る。
一個だけ不釣り合いなのがマフラー。去年俺と交換で渡したあのマフラーしてる。
『…うん、お姫様みたい、すっごい可愛いね。』
ひーちゃんみたいに照れなく言えたら!そこはひーちゃんの方が上なの!
俺のコメントに香椎さんも真っ赤になっちゃって…。
俺、真っ赤になって照れてる女の子って最高に可愛いと思うんだ…。
なんかふたりで照れちゃってモジモジしてた。
香椎『…手袋してくれてるんだね?』
去年さっきのマフラーと交換でもらった手袋を俺は愛用している。
やっと落ち着いて、香椎さんを家まで送る事にしたんだ。
ヒール履いてるしゆっくり3人で歩きながら。
香椎『…うーん?パーティー?みたいな?うん、ドレスコードがあってね?帰り道なの。』
コンビニ前まで車で送ってもらったみたい。
なんか歯切れ悪いけど、まあその格好だからね…さぞかし立派な?
プレゼント交換は無いけどメリークリスマスだね!
昨日もメリクリって言ったけど今日も言っちゃう。
本当にドレスアップした香椎さんは綺麗…。
香椎さんはそうだ!って顔して
香椎『ちょっとだけ家寄って行かない?』
去年のパパさんとの悪夢が…。
『いや、ひーちゃんも居るし?もう帰らなきゃ?』
香椎『そっか、残念?
じゃあ玲奈サンタさんが…』
香椎さんに帰らなきゃ?ひーちゃん居るしって自分で言ってふと気づく。
あれ?俺の手ジュースしか持ってない?
ひーちゃん?さっきまで居たよね?
香椎さんがなんか話してるけど、家すぐそこだし大丈夫だよね?
香椎さんに説明する、
玄関まで送りたかったけど、ひーちゃんがはぐれたみたい?
まあ土地勘あるし?いつも歩いてこの辺来るから大丈夫だと思うんだけど…。
俺帰るね!
香椎『あ、ちょっと待って!
ひーちゃん見つけたら歩道橋まで良い?』
うん、生返事して家へ戻る。
まあ一本道だから何処かへ行ったり拐われなければ途中で見つかるでしょ?拐われる?あるぞ?うちの弟マジ天使!
キョロキョロしながらまっすぐ歩道橋へ戻る俺。
あ、スマホで望に聞いてみよ!
ワンコールででる望、
望『え?ひーちゃん?今帰って来たよ?ひとりで。
あ!ひーちゃん?また出て行ったよ?
また兄ちゃんとこ行ったんじゃない?』
良かった、家に帰ったのか…で、また戻ってくる?
じゃ、まっすぐゆっくり歩道橋へ向かうか、そうすればすれ違う事は無いし。
歩道橋に差し掛かるころ、川向こうからはひーちゃんが、後ろからは香椎さんが来てるのがわかった。
ひーちゃんは真っ赤なサンタ帽をかぶってやってきた。
あぁ、あれを香椎さんに見せたいんだね?
俺の弟まじ天使。
続く
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