第9話 ヒーロー不在
6年生の3学期になった。もうすぐ卒業。
中学生になる訳だがこの地域は他の学区から生徒が来ることはない為この小学校の面子のまま中学校へ進学する。
クラスの中心の一人だったあっちゃんが転校した影響は色々あった。
旧あっちゃんグループ(仮)が2つの陽キャグループに分かれて授業中とかふざけてるのか格好いいと思っているのか大声で私語をしたり気の弱い子をいじったりするようになった。
2つのグループとも女子をまとめてる香椎さんグループにちょっかい出したり一部の女子グループがそれに乗っかったりクラスの空気が悪くなった。
俺は2つのグループに一応来いよって言われたけど合わないだろうからって断った。
俺は宏介と行動することが多かった。でも宏介は俺以外の友達も多いんだよね。
それなのに俺の近くにいつも居てくれた。
今まで通り自分がいじられればツッコんで、気の弱いクラスメイトのフォローをしたがあっちゃんが居なくなって陽キャたちがしつこく絡むようになった。
以前はいじりがあればあっちゃんが仲裁してそいつらもいつ間にか仲間みたいになっていたのだがまとまりが無くなった。
俺はあっちゃんが居ないのにまだあっちゃんグループのツッコミ役気取りのうざい奴って言われるようになった。
香椎さんもクラスの雰囲気が変わったことを察して色々動いていた。女子は一部のうるさいグループの子以外は影響無かったが男子は荒れていた。
つい2月前まで良いクラスだなあって思っていたのに今はすぐ揚げ足取ったりいじりをはじめる雰囲気の悪いクラスになっていった。
3学期に選ばれたクラス委員長は空気だった。
俺じゃあクラスのバランスは取れなかった。わかっていたあっちゃんと自分の違いを感じた。
そして卒業式を迎え小学校を卒業した。
中学生になる、顔ぶれは変わらないがまた新クラスになるので何とか雰囲気の良いメンバーの集まる良いクラスに入りたいなって思っていた。
私服だった小学生と違う学生服の同級生に驚きつつクラス表を確認する。
新クラスのメンバーを確認してわかったことは
香椎さんが居て、外町君が居て、陽キャ多めで、小石まで居て、宏介居ない。
(…マジでぼっちになってしまった…。)
こうして始まった中学生活、初日から陽キャたちは外町を中心にグループを作り俺をいじり始めた。初日からいじる?
そして数日後クラス委員長に推薦されて香椎さんのフォローを受けて何とか委員決めを乗り越えたのである。
(あっちゃん、中学校は酷いところです…。)
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新クラスへ行くと席は名簿順だった。
外町 和也(ソトマチ カズヤ)
立花 承(タチバナ ショウ)
50音順だから一緒のクラスになると二人は必ず出席NOが隣接しちゃう。
(外町君他の人には優しいけど俺にはすぐ睨んでくるから苦手なんだよなあ…。)
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次回から香椎さんが動きはじめます。
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