第41眠 Eランクへ

「見つけたのか!」


「そうだよ。これだよこれ」


そういってぼくはまんげつ草を二人に見せた。


「何だよこれただの草じゃねえか」


「本当にこれなのトム?」


二人は心配そうだ。


「間違いないよ。野草鑑定のスキルを使ったらこれだって出たんだ」


 ぼくは、二人が戦って敵を引き付けてくれている間にこの辺りをや野草鑑定のスキルを使いながら駆け回ってようやくこのまんげつ草を見つけたのだ。途中、元居た場所が分からなくなってしまいウロウロしていたのだが、自分には魔力感知のスキルがあったのを思い出し、二人の魔力を見つけてここへ戻ってこられたというわけだ。


「また迷ったの?」


ソフィアはあきれている。


「方向音痴なのか!」


カッシュは豪快に笑っている。


「笑いごとじゃないよもう」


「まあ、6つも見つけたから許してよ」


そういって、見つけたほかのまんげつ草を二人に見せるとそれぞれの草の先が明るく光り始めた。そしてまん丸い花のようなものが現れたのだ。


「わあ、きれい」


「これは本物だな」


「だから言ったでしょ!」


二人に信じてもらえたところでぼくたちは倒したロックリザードの素材をはぎ取り、王都への帰路へとついた。


「あら、おかえりなさい」


「ただいまカティーさん」


「あら?カッシュ君も一緒だったの」


「途中で助けてもらってそのまま一緒に依頼を達成してきたんだ。ほらこれだよ」


そういってぼくたちは2つずつカティーさんにまんげつ草を差し出した。


「あらこんなに!?すごいわ。3人とも昇格試験合格よ!」


「やったー!」


「やったね」


「まあ、楽勝だったな」


「カッシュは道端で倒れてたくせに調子いいんだから」


「あ!そうだった....か?」


ソフィアに突っ込まれてカッシュもぼくもカティーさんも笑ってしまった。


「なんだ?にぎやかじゃねえか」


後ろから大きな声がしたのでふりかえると、ギルドマスターのグランドさんがいた。


「この3人で昇格試験を合格したんですよ」


カティーさんが説明してくれた。


「そうだったのか。昇格おめでとう。期待してるぞ3人とも」


そういってグランドさんは行ってしまった。


「あの人、若い人たちを本当に気にかけているのよ。経験も少ないから低いランクの依頼の難易度調整なんかも細かくやっていてね。だから本当はもっと話したいと思うんだけどあんまりひいきしてもほかの冒険者の目もあるし。難しい立場になっちまったって嘆いていたわ。だからライトくんとかに代わりに目をかけてもらっているのよ」


「そうだったんですね。っていうかこんな話してもよかったんですか?」


「あら私ったらいけない。この話はここだけにしてね。あと、Eランク冒険者としてほかの冒険者にも困っていることがあったら声をかけてあげてね。今回のカッシュ君みたいに」


「わかりました!」


その後ぼくたちはギルドカードを水晶にかざし、ランクを更新した。次はEランクの依頼だ。

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