令嬢の退屈を壊すのは、殺人事件と頭の冴えたフットマン
- ★★★ Excellent!!!
英国ホテルを舞台に、優雅に観光に楽しむ令嬢アデル。求愛してくる数多の男性に飽き飽きしていた彼女は、マンチェスターのホテルにて遺体を発見してしまう――
華やかな上流階級の英国ホテルでの華やかで優雅な描写が素敵で、令嬢アデルの優雅な日常が垣間見えます。読んでいうるうちにうっとり憧れてしまう読者の気持ちは、ホテルで働いているメイドやフットマンたちと同じ感覚かもしれません。
主人公・アデルは令嬢として大切に育てられた、誰もが憧れるような美貌を持ち、甘やかされた彼女は少し子どもっぽくわがままで、何でも自分の思い通りにしてしまおうとします。美しい薔薇には棘があるような……それでも眺めていると微笑ましくクスっと笑ってしまいます。素直に気持ちを伝えたり、純粋に涙を流したり、わがままだけどかわいらしい一面がだんだん見えてきます。
そして、探偵役であるフットマンのジーン。鋭い洞察力の彼は、礼儀正しく振る舞いながらも一歩引いた態度で、アデルに対しても素っ気ない。けれど、泣いている女性を振り払う事のできない甘さと、少し皮肉屋な横顔がちらっと覗いたり、一筋縄ではいかない魅力的な人物でした。
優雅な英国ホテルの殺人事件と初恋のスリリングな顛末を楽しめる作品でした。