9
驚くのも無理ないか、なんてひっそり心の中でため息をひとつ。だって彼らには遠巻きに取り巻くファンは大勢いいても近付く人は誰ひとりとしていない。
しかも声をかけたのは“絶世の美少女”なわけで―――…
「よくない」
「―――は?」
っと、いけないいけない、思わず低い声だしちゃった。
さりげなく頬に手を添えて崩れそうになった笑顔を立てなおす。
目線の先には警戒心むき出しでこっちを睨んでる金髪、にこにこと胡散臭い笑顔を浮かべるキャラメルブラウン(茶髪)。そして「まるで興味ありません」とでも言うようにいつのまにか雑誌に視線を落としている黒髪。
今、「よくない」って言った?
断った?
どうしよう、こんなこと初めて過ぎてどうしていいかわからない。
恐らく言葉を発したであろう黒髪の横顔をただただ見つめる私。ちなみに間近で男の横顔を見るのも人生初かもしれない。
「どうして?空いているんだから問題ないでしょう?」
こてん、と首を傾げ黒髪に問いかける。しかしなぜか返答したのは真ん中にいた金髪だった。
「涼介がよくないっつってんだからよくないんだよ!
帰れブス!!」
いてこましたろかこの金髪。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます