第36話 スノボ
「かおり、スノボ行かん?小豆島一緒に行った友達が車出してくれるから、一緒に行かん?
小豆島行った時に、スノボ行く時連れてってってみんなに言ってたやん」
たくやからスノボのお誘いの電話。
「そういえばそんな事も言ったな、忘れてた。
でも…」
「大丈夫、俺とかおりの関係秘密にしてるから。そこは心配せんでも友達として来てよ」
「じゃあ行く。」
こうたには友達とスノボに行くって一応言っておこう。
…友達…
夜中にお迎えに来てくれて結構遠くまで行くらしい。
8人乗りのワゴンに乗り込んだ。
スノボの板を乗せる関係で3列目にたくやとうちで座る。
前の2人で運転するから後ろ寝てていいよって言ってくれた。
たくやはいたって普通に友達として接してくれる。
ちょっと安心した。
気まずかったらどうしようって思ってたけど、全くそんな事は無かった。
スキー場に到着!みんなでとりあえず1番上まで上がってみる。
「高い!綺麗!」
うちは上級者コースを普通に滑れるくらいのレベル。
みんなうちよりもっと上手でハーフパイプに行こうとしてる。
すご〜!!
1日滑って大満足。
帰りの車でやめてって言っても、たくやがくっついてきて膝枕をしたいらしい。
みんなから見えんからってやりすぎ。
普通の友達は膝枕しません。
朝は普通の対応してたのになぜ?
「なんで着替えたん?」
「え?汗かいたから」
たくやが急に首に手を回して頭を下に引っ張る。
「痛いって、何?」
「俺、聞いてないで。これつけたやつ何なん?」
…?
「何の話?」
「キスマークついてる」
あー…完全に忘れてた。
こうたにスノボ行くって言った時に魔除けってつけられたんだった。着替える前はパーカーのフードで見えんかったけど、今トレーナーで見えるんか…
「最近、彼氏できた。」
「ふーん、それでか。
俺、彼氏いても全然いいよ」
「うちは、良くないから」
「あーぁ。何か俺、傷ついたー。
これは責任とってもらわなあかんやつや」
「…はい?」
家に着くまでずっとたくやは膝枕で過ごす。
なんでかな?ちょっと罪悪感。
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