第477話 王宮からの招集 その2
1年が過ぎて俺も2学年に進級し、またスキップ試験を受けるも満点で合格し、全教科に対してサボリ放題の許可を得た。
「どうせなら面倒だから卒業まで一気にスキップしたい物なんだがな・・・。」と俺が呟くと、ホームルームで集まったクラスメートが寂しげに、
「そうしたらもう会えなくなるから却下だよ。ただでさえ殆ど学校に来て無いんだから。そこは我慢しないと!」と諫められるのであった。
この頃になると、錬金術部隊の熟練度も上がって、月産3000台を越える勢いで製産出来る様になったおり、俺が一々教えなくても、子供等同士で子はいの育成まである程度熟せる様になっていた。
漸く王宮からの注文分は先日全て納品が完了して、今では民間にも販売を開始して居る。価格は1台
尚、前世の失敗を元にして、魔動電話とマジックバッグは国外への輸出は厳禁にしておいた。
尤もそうは言っても密輸転売等を完全に防げる訳では無いので、気休めかも知れないが・・・。
そうして、今ではオオサワ商会は超有名商会となって王国中で知らぬ者が居ない商会となったお陰でリクルートが非常に楽になったのだった。
俺が子爵位を叙爵してからと言うもの、実家の父親からのお強請りに近い我が儘な注文と言うか本店をドルビーに移動する様にと言う要請が五月蠅い。
今のところ全く、メリットが無いので撥ね除けて居るのだが、早めに何か抜本的な対策を考えるべきかも知れない。
親子の縁を切ると言うか、そもそも、今の俺の名は嘗ての伯爵家次男のマルク・フォン・ドルビーではなくて、『マルク・フォン・オオサワ』子爵当主である。
つまり、別の独立した貴族家と言う事で上下関係こそある物のとやかく言われる筋合いはないのである。
そんな感じに対実家の事で内心モヤモヤして居たら、またもや王宮から招集が掛かったのであった。
なんとなく既視感のある状況であるが、素直に王宮に参上すると、以前と待った同じ状況になって、国王陛下と宰相閣下に謁見の間で謁見するのであった。
「マルク・フォン・オオサワ子爵よ、魔動電話の件と言いゲートやマジックバッグの件と言い、其方の働き誠にあっぱれであった。しかも、国外に向けては販売を自粛すると言う配慮も素晴らしい。
よってその貢献に報いるべく、其方を伯爵位とする事とした。これからも励むと良い。尚、領地については後程宰相の方から提示がある故に上手く発展させる様にな。」と微笑みながら言う国王陛下。
「ははっ!ありがたき幸せ!」と反抗する事も諦めて素直に受け入れる俺。
だって、反抗しようにも決定事項みたいだから、俺の承諾の有無なんかお構いなしみたいだし、抵抗するだけ無駄と言う物。
まあ、領地持ちの伯爵位になれば全くの同等となるので実家からの無理難題も撥ね除け易いって言う算段もあっての事である。
こうして俺は史上最短最年少で『マルク・フォン・オオサワ』伯爵当主となったのであった。
この後に宰相閣下より領地に関する提案があって、モリントスとナーガと言う隣り合う元子爵領2つを拝領する事となったのだった。
この2つの領を合わせた領地はドルビー領よりかなり広く、未開の部分を含むと約2倍の面積はありそうであった。
ただ残炎なのは領地内にダンジョンが無いところである。
まあこればっかりは贅沢も言ってられないので我慢である。しかし、幸いなのは、ナーガ寄りの所に『深淵の森』と言う強力な魔物の出る森がある事である。
とここまではまあ祖撃てないであったが、伯爵位になった事で王都に構える屋敷も爵位に見合った物件に住み替える必要が出てきてしまい、王宮から宛がわれた物件に今の屋敷の機能を移転する必要が出てしまったのであった。
何気にこれが一番面倒で、折角こぢんまりと機能的に暮らしていたのに大々的に引っ越しが必要となって子供等にも負担を掛けるのであった。
結局、新しい伯爵邸はそれとして、従来の屋敷を完全に工房兼従業員宿舎として、別格とすることとしたのであった。
これを機にアマリスは完全にドルビー家を退職し、オオサワ家の専属メイド長として努めて貰う事となったのだった。
しんきに20名のメイドと2名の執事を雇用してオオサワ家のドタバタは続くのであった。
さて、領地の方であるが、モリントスの方を領都として、モリントスとナーガ両方を固定式ゲートで結ぶのは勿論の事、両方を王都にゲートで結ぶのであった。
そして、両方の領地の中間辺りに新領都であるニューオオサワ・シティーを建設すると大々的に発表するのであった。
さあ、今世に入って初の領主の本格的なお仕事である。
前世ではなんにんも助っ人が居たのだが今世ではたんどくである。これまで大々的な魔法を使う事は殆ど無く魔物討伐に使う程度であったので少し今の俺の能力を知る上で期待するところがあるのだ。
とは言っても既に
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