第475話 全国巡業工事

俺は王宮から『王宮特別工事責任者』のメダルを貰うと同時に割と詳細王国地図を借りる事に成功し、まずは王都のゲートセンターの工事を行う事にしたのであった。


現在予定されているゲート設置箇所は伯爵以上の領都や国境地帯の砦や辺境伯等の国防上の有事が発生する可能性のある危険地帯である。数にしてざっと58箇所となる。

優先順位は国境の砦や危険地帯を最優先に設置し、父の居るドルビーは面倒なので一番最後の予定となっている。

真っ先に王都のゲートセンター予定地に塀を作ってゲートを設置して行く。


ゲートその物は既に全部作って『時空間庫』に置いてあるのでそれを取り出して設置するだけの割と簡単なお仕事である。


3日間で取り敢えず予定分の58個のゲートを王都のゲートセンターに設置した俺は、イヨイヨ地方巡業の旅にでるのであった。



南の果てに在る国境の砦とそこを領地とする得るトラン辺境伯の領都を目指して空路を只管に飛ぶ俺。


とは言っても毎日日帰りで翌日続きを飛ぶ訳なのでさして旅情に欠けるのだが、そんな欠落した旅情を埋めるかの様に、盗賊に襲われて居る一団や魔物に襲われてる一団を助けて廻っていたのであった。


魔物は基本余程で無い限りその一団の護衛の冒険者に処分をまじゃせるが、盗賊は時間は浪費するものの大変に美味しいお土産アジトのお宝を俺にくれるのであった。


こう言う軽いハプニング重なってまずはトラン辺境伯の領都と国境の砦のゲートを結んで更に王都のゲートセンターとも繋いだのは俺が王都をでて2週間が過ぎた頃であった。


王都と繋ぎ終えた後、トラン辺境伯が喜ぶ事喜ぶ事。これまで王都に出立する際はそれはそれは長く大変な道程を経て多大な時間を要したからと泣かんばかりに感激してくれたのであった。


続けてアインツブルク王国中の空を飛び巻くって58箇所全てのゲートを繋ぎ終わるまでに4ヵ月が掛かってしまった。


問題は最終工事に訪れたドルビーの実家に赴き俺が『王宮特別工事責任者』のメダルを保持している事を父親に知られた時だった。


10年以上振りに会う父親には全く何の感情もなかったが向こうも俺が今回のゲートを設置しに来るとは思ってもみなかったや様で、横に突っ立っていた馬鹿兄のマークまでポカンと口を開いてアホ辛をサラして居たのだった。


色々と聞いて来ようとする父親をメダルの力で強引に捻じ伏せて事務的に工事を行い家令も含んでゲートの注意事項等を口早に説明するのだった。



こうして漸く全工事を追えて王宮にそれを報告に行って国王陛下と宰相閣下の前で堂々と報告をして、件のメダルと借りていた地図を返却したのであった。


そして居お礼とお褒めの言葉を頂き、後日商業ギルド経由でお代を頂くので問題が無い事を伝えて此方としてもお礼を伝えるのであった。


帰り際にクラスメートのアルテーラ王女がやって来て、


「マルク久し振りね。本当に貴方って凄いわね、首席で入学して史上初のスキップ試験に満点で合格するわ、マジックバッグを販売するだけでなくて、今回のゲートまで、本当に何処まで驚かせるのよ!?」と矢継ぎ早に俺に捲し立てるのであった。


「これはアルテーラ王女殿下、ホームルーム以来お久し振りですね。まあスキップ試験は出来る事をやる為に時間を作る目的でしたからね。」と当たり障りのない受け答えをする俺。


「折角来たのだから、お茶でもして行きなさいよ。」とお茶に誘ってくれるアルテーラ王女であった。


王宮の応接室で小一時間程お茶を飲みながら雑談をした俺はお礼を言って王宮を後にしたのであった。


そして王都の屋敷に戻った俺は久し振りにユックリ子供等と工事完了打ち上げパーティーをするのであった。



1日休みを取った後商業ギルドに赴いて口座を確認すると、王宮からのゲート代金分キッチリ一千百六十億ギルが増えて居るのを確認したのであった。


ボロい商売である。


次は魔動電話でも作れば良い商売になるだろう。


そうなると、もっと子供等の錬金術を鍛えないと駄目だけどな。


当面はダンジョンに潜りつつ子供等の魔法と錬金術を鍛える方向で行こうと思う俺であった。


こうして、当面ダンジョンアタックに戻ったのであるが、工事終了から2ヵ月が過ぎた頃、王宮から招集が掛かるのであった。

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