第426話 新技開発
その後1週間が経過したが、第五波は起こらず『魔境の森』は平常のままであった。
結局非常額宣言は解除された物の万が一の時の為に物見の塔からの監視巡察任務は続けられる事となったらしい。
そして解体されたアースドラゴンの肉の分配も多めに貰った後改めて我が家でも家臣総出のBBQを行う事になったのだった。
参加した兵士の大半は自分達が対峙した訳でも無いアースドラゴンの肉をつかったBBQに参加出来る事に感激していたのだった。
マコちゃんの発見から始まった一連のスタンピードはこうして1人の死者も出さずに大団円で終わったのだった。
そしてわがやでのBBQも終わって数日した頃、マコちゃんの『魔境の森』の魔物討伐が再開したのだった。
最初は俺かコーイチローの何方かが同行しようかと思ったのだが、マコちゃんの強い要望でソロでの子王道となった。
父としてはそんなに急いで大人にならなくても良いのにと思ってしまうのだが・・・。
本人曰く開花の儀まで後3年、ミッチリとレベルアップに繋がる事をやって起きたいらしい。
そんな訳で俺は同行を拒否されたので領主の仕事のデスクワークをダラッとやって、その後は2人黙々とダンジョンアタック再開の準備を始めるのであった。
ダンジョンアタック再開に向けてこなにをして居るかと言うと、まさか高周波ブレードが効かない相手がでて来るとは思わなかったので嘗て俺が呼んだラノベであった、空間を分離する事で切断してしまう『空間斬』を物にしたいと思っているのだ。
こればかりは一夕一朝で実現出来る物じゃないので密かに訓練を開始したのである。
次に同様の斬れない相手が出た際はスパッとカッコ良く斬り伏せて何でも無い様に子供等の前で良い格好をしたいと言う不純な動機であるが、父として子供からの尊敬の念はマストである。
こうして密かな特訓は日々すこしずつ続けられるのであった。
訓練を開始して1ヵ月が過ぎた頃、漸く初めて空間斬っぽい事が成功していい気になってパカパカと『魔境の森』の人の来ない辺りの岩を斬って練習していたら、偶然にやって来たマコちゃんにその現場を目撃されてしまったのだった。
「お父さん凄いよそれ!私も覚えたい!!」と言う可愛いマコちゃんに負けて未完成の空間斬ではあるがその理論的なイメージを伝授し始めたのであった。
マコちゃんに教え始めたもののこうなってしまうとマコちゃんだけに教える訳にもいかず、結局未完成の段階ではあるが、ロッテルダム侯爵家兄弟を含む子供等にも空間斬を教える事になったのだった。
尤も全員に教える事になった事についてマコちゃんは嫌な顔もせずに、兄達と共に真剣に俺の教えを聞いて『魔境の森』で実践して練習していたのであった。
1ヵ月程子供達に教えた事によって、自分自身より深く空間斬を理解出来たお陰か、発動のタイムラズが無くなって、思った剣筋で斬れる様になったのだった。
子供等が練習を始め2ヵ月程経った頃、ズタズタに斬られた岩が目立ち始めた。余り他家の領地である『魔境の森』を荒らすと拙いので、ダンジョンの中の岩山の階層に連れて行って其処で練習させる様にしたのであった。
しかし配慮するのが遅かったのか?それとも子供等が優秀なのか・・・子供等が空間斬を物にするのはそれから間も無い事であった。
こうして、俺は必殺の新技を物にして意気揚々とダンジョンアタックを密かに再開するのであった。
久々のダンジョンアタックは第65階層から始まる。
ここからの階層はなかなか簡単にし済ませてくれぬ相当に厄介な階層では非常に進みが遅くなってしまい俺のジワジワとストレス度合いを高めて行く。
ストレス解消とレベル上げで言った筈のダンジョンで余計なストレスを溜めると言う矛盾にジリジリしながらも、徐々に進んで3ヵ月掛かって、第66階層へと勧めたのだった。
折角作った新技だが、これじゃないと倒せないと言う相手に恵まれず、今のところ、練習がてらに無駄に空間斬を使う日々である。
お陰で、空間斬の発動スピードはタイムラグを感じ無いごく自然に黄金丸で切断したのと同等のスピードとなったのだった。
何時か子供等の前で使って見せてこの発動速度をドヤってみたい気もしないではないが、子供等のそれに負けると赤っ恥なのでそんな事はしない・・・多分。
こうして俺は半年程かけてノンビリと第70階層のボス部屋までクリアしたのであった。
第70階層のボス部屋は懐かしのレッド・ドラゴンでこの世界初のまともな西洋風のドラゴン戦で漸く新技の空間斬で首を刎ねてサクっと仕留める事ができたのであった。
久々のドラゴン肉の回収に上がるテンション。
早速ダンジョンをでて、冒険者ギルドに赴き解体を依頼するのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます