第372話 ダンワース・ダンジョン その4

そして20周ぐらいした満足した俺達は、第11階層へと降り立ったのであった。


第11階層は昆虫系の多い密林フィールドで鬱蒼と茂った緑の匂いに噎せ返っていた。


俺が顔を顰めながら2ニにをみてみると、2ニに共にここでのメインの魔物を察して嫌な顔になっていた。


「その通り、昆虫系がメインだよ。スキップするかい?」と言って直ぐに上空に上がるかと問うてる間にキラー・アンツに見つかってしまって、ギギギと不快な鳴き声で仲間を呼ばれてしまい、

「蟻は酸攻撃あるから気を付けろ!」と慌てて注意を促して止めどなくやって来るキラー・アンツの大群を3人で屠りまくって居たのだった。


俺達の周囲には蟻の3攻撃の影響で酸っぱい何とも言えない匂いが充満して居り、このままではやられはしないまでもジリ貧なので思い切って、

「兎に角上空に逃げるぞ!3、2、1、0」とカウントダウンしてゲートで無理矢理上空へと逃げたのであった。

何とか追い縋るキラー・アンツを振り切って上空のフォース・フィールドの足場に退避した俺達は、座り込んで息を整えるのであった。


「キラー・アンツってあんなにキリが無い物ですの? しつこいったらありゃしない・・・。」とマーガレットが吐き捨てる様に呟くのであった。


「彼奴ら仲間を呼ぶからな、大体あんな感じだぞ。俺達で無ければ全滅覚悟の消耗戦だな。」と俺が答えると、


「益々昆虫が嫌いになった。」とマリーもボヤくのであった。



「まあでも、魔装のお陰で無傷で何よりだったな。」と締め括り、下層への階段を、魔力の流れとマップから探してウィングスーツによる滑空でショートカットするのであった。



だが、次の第12階層も同じく、密林フィールドなので、今度は即座に上空に逃げて下層への階段を目指すのであった。



だがどれ程ダンジョンは甘くなくて、キラー・ビーの大群に上空で囲まれて結局地上に降り立って、殲滅せざるを得ない状況となったのであった。


キラー・ビーの毒針は俺達の魔装を貫通する程の威力は無いので基本大丈夫なのだが、50cm位の体長のミツバチに集られるのは気持ち悪い。

俺は、吹き飛ばしてしまおうと、ミスト・バーンの準備を開始して、マリーとマーガレットにドーム状の防護壁の準備をさせて、一気にドッパーンと爆発させたのであった。

久々に使ったが耳がキーンとしている。吹き飛んだキラー・ビーは地上に落ちてしまって、生きてる物は1匹も居ない。



本来であれば、1匹なと生かしておいて、巣まであんないさせるべきではあったが仕方が無い。残念ながらハチミツは諦めるしかない。



第12階層もその様に何とか最低限の戦いで済む様にして、通過したのであった。



気が付けば攻略組が奮闘している、第15階層までやって来た。



どうやらこの階層で進みが遅れて居る原因はこの階層のフィールドが湿原フィールドと言う事もあるらしい。



そりゃあ、フォース・フィールドの足場とか使えない冒険者であれば、このフィールドとの相性が悪いのは一目瞭然である。

そんな訳でこの階層の情報は殆ど無い。


まあ湿原って事なのでもしかすると、ヒュージ・フロッグとか出て来るのではないかと期待している俺が居る。

そんな俺達を真っ先に出迎えたのは、一見丸太が浮かんでる様に見えるキラー・アリゲーターと言う馬鹿デカいワニの魔物であった。


全長で7mぐらいはあるんじゃないだろうか? 巨大な尻尾を振って俺達の方へと泳いで来て牙だらけのおおきな口を開けてガブリと行こうと寄って来る。


フォース・フィールドの足場の上で駆け寄って、スライディングしながら高周波ブレードを使ってブンと首を刎ねて慌てて血の噴水を避けたのだった。


血抜きを終えて回収すると、血の臭いに惹かれてまた1匹キラー・アリゲーターが寄って来る。


今度はマーガレットが仕留めて回収していた。


こうして順にキラー・アリゲーターを排除して廻り縛らすすると、ゲコゲコと聞き慣れたヒュージ・フロッグの鳴き声が聞こえて来た。


「あ!!マジックバッグの素材発見!!」と俺が歓喜の声を上げると自分達の付けて居るウエストバック型のマジックバッグが何で出来て居るのか知らなかったマーガレットとマリーが驚いて2度見していた。


俺はこの際だからとヒュージ・フロッグを狩り廻って来期に備えるのであった。


ここだと、シーズン関係無くヒュージ・フロッグが狩れるので非常に便利ではある。


ただ、ヒュージ・ドラゴンフライと言う全幅1m、全長1.5m位のトンボの魔物が空から狙って来るので、2人には俺がヒュージ・フロッグを狩ってる間に護衛をして貰った。


俺的ににトンボは何が気持ち悪いと言うかと言うとあの目玉と呼吸で膨らむ細い腹である。


幾ら大きいトンボとは言え、急所を正確に魔弾で撃ち抜くのは至難の業だった様で、2人共に苦労をして居たのだった。



そして、第16階層を一応廻った俺達は、ヒュージ・ドラゴンフライが居無くなった隙を突いて空からウィングスーツによる滑空でズルをするのであった。


ちなみに、ュージ・ドラゴンフライに捕まると、サイズ的にマリーぐらいなら簡単に連れ去られてしまうので注意が必要なのだ。



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