第370話 ダンワース・ダンジョン その3
第3階層終盤となって漸く物欲センサーが飽きたのかモンスターハウスらしい当たりを気配察知が拾ってホクホク物で中に入ってモワッと刷る様なゴブリン臭に顔を顰める俺達3人はフレンドリーファイアを恐れ直ぐに気密シールドを展開しつつ、ゴブリン・ソルジャーやゴブリン・ナイトの集団を相手に無双を始めるものの
俺は殆どてを出さずに漏れた物のみを補足的に相手するに留めたのであった。
圧倒的な完勝は3分程でケリがついて、密閉された空間の為に気密シールドを展開していても判る程にゴブリンの血なまぐささが漂って来る様であった。
気が付く付くと、モンスターハウスの隅に宝箱がチョコンと出現して居り罠が無いのを鑑定EX出確認の上2人に蓋を開けさせてやった。
2人はキャッキャと喜んで蓋を開けて中を覗き込むと、中からポーションの瓶を1個と、片手剣お1本取り出していた。片手剣は流石にマリーにはやや大きい大人用のサイズだったのでマーガレットの物にして、マリーには俺が武器屋で見繕ってやる事にしたのであった。
折角の初モンスターハウスだったので、魔石を全て回収して廻りいつの間にか開いていた扉から、通路に出たのであった。
そこから魔物を倒しつつ通路を歩く事、30分、漸く第4階層への階段に辿り着き、一息休憩を挟んで階段を降りて行くのであった。
降り立った第4階層は引き続きの回廊型で、今回のメインの魔物にはコボルトが出て来る。まあゴブリンよりは素早くなった分だけ強くなっているが俺達からしてみればそんなのは誤差に範疇に過ぎない。
こうして第4階層もズンズンと進んでいき、午前中には第5階層への階段を見つけたのであった。
資料によると、第5階層は平原フィールドで、メインの魔物はオークである。大部分の冒険者の主な活動階層が第5階層な理由はダンジョン故に供給が途絶えないオークにある。
美味しいし常に需要のあるオークは1匹持って帰ればそれなりに稼げるので中堅どころの冒険者パーティーなら買いたいして2匹分の肉を持ち帰ったりすると普通の家庭の1ヶ月分くらいの稼ぎになるのである。
まあ余り領主である俺達が彼らの稼ぎ場を荒らしてはいけないので控えめに通過しようと考えていたが、オークが向こうから嬉し気にやって来るので先頭を避けようがなかったのだった。
第5階層に入って既に30分で8回の戦闘を熟して計10匹のオークを葬り回収して居る。
尤も
そんな訳でアバウトなマップと、魔力の流れを基にして第6階層への入り口の方向を割り出してドンドンとオークを避けながら進むのであった。
結局、午後4時の段階で階段まで辿り着かず、早々にゲートで一旦王都の邸宅に戻ってから、武器屋にマリー用の片手剣を購入しに行くのであった。
王都の武器屋に行ったが丁度良いサイズの物が無く、結局オーダーする事になって、その間5日間程ダンジョンアタックをお休みする事になったのだった。
尤もお休みの間、2人には気配察知の訓練を言いつけておいたのでやる事が無い訳ではない。
俺はと言うとその間は真面目に溜まった
こうしてそれぞれ有意義な5日間を過ごして再び先日の第5階層まで戻ったのであった。
真新しい片手剣を腰に付けて嬉しげなマリーは、
「お兄ちゃんお姉ちゃん、最初のオークは私に任せてくれない?」とお願いして来たので了承すると、
5分後にやって来た3匹組のオークを斬り伏せ、血振りをした後嬉し気に戦隊物の様なポーズを取って居たのだった。
それに触発されたのか、次のオークを斬り伏せたマーガレットまでもがやはり同じ様なキメポーズを取って居たのだった。
第5階層でも俺達と言うか、2人の力量のみで十分に通用し、俺は単に斥候役と言うよりお目付役として付いて居るに過ぎなかった。
男が多いこの第5階層の冒険者の中で、2人は異彩を放って居たが、テンプレの様に絡んで来る者も居らず非常に快適であったのは実に意外であった。
もしかしてお目付役の俺がAランクと言う事が広まって居るのだろうか?
そんな事を思いながらすれ違う冒険者に片手を挙げて会釈して通り過ぎて居たが、前回結構良い所まで来て居たらしく、案外呆気なく第6階層への階段に辿り着いてしまったのだった。
階段の手前で昼食を取って、一休みした後そのまま第6階層へと進むのであった。
第6階層も同じく平原フィールドで、同じくオークがメインで出て来るがここでは上位種のおーく・ソルジャーやナイト、メイジ等がリーダー等の上位種に連れられて現れるので多少手強くなるものの、俺達を脅かす程の存在では無い。
問題は、素早く対処しないとドンドンと仲間を呼ばれエンドレスになるので一気に殲滅するのが正しい攻略方法である。
よって、暢気に血抜きは出来ないのでヘッドショットっからの倒れた所を首チョンパで一気に噴水させるのが尤も手っ取り早い。
全員魔装と気密のシールドを展開しているので、赤い噴水を浴びても一応大丈夫である。
そんな訳でここからはお目付役とか言って高みの見物もしてられ無いので、俺も全力とまでは言わないものの、手を出して行く事になる。
全てをそれぞれが回収して廻っているので一体全体で何匹倒したのか全く把握して居ない。
このままのペースではキリが無いと悟った俺達は、今までの全倒し作戦から、回避作戦に移行して、平原フィールドの上空をウィングスーツによる滑空で飛んで行く事にしたのであった。
天気も良く、疑似空も澄み渡った快適な空の旅は実に気分が良く、アッと言う間に階段を発見してしまったのであった・・・。
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