第362話 褒賞式 その2
魔物狩りを他の楽しむ数日をすごしていたら、またしても王宮よりと言うより、国王陛下直々のお呼び出し電話が掛かって来たのであった。
「トージよ、余である。」から始まって、打ち合わせが在るので王宮に来る様にとの仰せであった。
どうやら口ぶりではまた婚約発表と言う名の舞踏会を開く必要があるらしい。
まあ面倒と言えば面倒事ではあるが、半分は俺の為ではあるので文句も言えない。
そんな訳で早速身支度を調えて、ゲートで王宮の一室に移動したのであった。
国王陛下の執務室に通されて挨拶もソコソコにソファーに腰を掛けると、
「どうやら、連日の様にマーガレットがお邪魔しているようじゃな・・・。」と切り出す国王陛下。
「はい、勉強熱心と言うか魔法の修行が愉しい様で。」と切り返すと、「そうか・・・。」と呟き早速本題に入ったのだった。
「でじゃ。電話でも軽く言った通りに早い段階で婚約披露パーティーを開かねばならぬのじゃ。それはお主も理解しておるじゃろう? して今回は出来る限り全貴族を呼ぶ事になる為に王宮のホールで新年の舞踏会レベルで執り行う事となるのじゃ。」と説明する国王陛下。
何となく面倒臭さが理解出来た俺。
「それは高に大変な規模のパーティーとなりますね。私は何をどうすれば宜しいでしょうか? 費用のぐらいは最低限当家でもお支払いせねばなりませんね。」と俺が国王陛下が口にするより先に規模を理解して、費用折半以上を口にしたのであった。
まあ寧ろ、費用全額お支払いしてでも『お任せ』コースにしたいのがおれの本心である。
「うむ、そうして貰えると財政上助かる。」とちょっとホッとした様子の国王陛下。
今回の戦では、『得る物』が殆どなかったが為に財政を少なからず圧迫したとの事であった。
そこっでおれは敵の王城の宝物庫から頂きっぱなしになっていた物が有る事を思い出したのであった。
「国王陛下、完全に忘れて居ったのですが、今思い出しました・・・。」と先の工作活動時に得た敵の宝物庫の金品についてを話すと、驚いていた。
「作戦中に得た物なので国に納めますので押す気に使って頂いた方が宜しいかと。」とアッサリと権利を放棄すると非常に驚いて居たのであった。
そんなこんなで、頂いて着た宝物庫の財宝や敵国のお金から他国の貨幣の全てをアムール王国の財務課に渡し終えるのには丸2日掛かったのであった。
更にパーティーの費用のお支払いを済ませ、お願いし終える、までに非常に大変な日々を過ごしたのであった。
一応、そんな数日の間あまり相手にして貰えなかったと理由を知ってる筈のマーガレット殿下が少し拗ねるのであったが、「次の強力な魔法を教える。」と言うとコロッと期限を直すのであった。判って居て態と拗ねて見せると言う技である。可愛い物だ。
さて何を教えよう?強力と言う意味では『
翌日マーガレット殿下とマリーを前に『高周波ブレード』の原理を教えて実演して見せるを繰り返して無属性の『高周波ブレード』の訓練をさせるのであった。
この『高周波ブレード』の訓練は非常に難しく、サチちゃん達も最初は『高周波』の部分で戸惑って居た様に思う。
何度も繰り返す事によって徐々に高周波に近付き、ブーンと言う高周波のノイズが聞こえて来る様になるまでに数日掛かった程度であった。
試し斬りの為の標的の丸太をバターの様に切れる様になった2人は大喜びをして居たのだった。
ここで、マリーは剣術を学んでいないので、パパンに預けて、剣術の基礎を叩き込んで貰う事にしたのであった。
勿論、これでパパンが大喜びしたのは言うまでも無い。
マーガレット殿下は小さい頃から、一応の嗜みとして剣術を習って居たそうなので今回のマリーの特訓には参加しない。
急にやる事が無くなったので、スィーツの作成でもしようかと、厨房に向かうのであった。
マーガレット殿下もしたいと言うので簡単なパンケーキを教える事にして、生地を作って焼くだけの簡単な作業をさせてみると意外に上手に焼いて、ふっくらと焼き上げたのであった。
調子に乗りだして大量のパンケーキを焼いてしまったが、自分の『時空間庫』に入れて保管して置くらしい。
どうやら、王宮のホールで開く婚約発表パーティーは約3ヵ月後と決まったらしい。
お金は出したがッ面倒な所は全て国王陛下にお任せしたので、俺は非常に楽であった。
俺は俺の礼服の新調を再度行って、本番でサイズが合わずに着られないなんて事が無い様に再度サイズを測り直して貰ったのだった。
やはり、確認しておいて大正解で、成長期の俺は、また微妙にサイズが合わなくなっており、若干大きめに作って貰う感じにお願いするのであった。
そう言えば、あの絡んで来て鬱陶しい旧王宮魔法師団長の息子のゴルツ君はまた来るんだろうか? 既に3度位絡まれているのだが・・・。
今度絡まれる様な事があれば無礼であるとピシャリと言ってやろう。と心に誓う俺だった。『仏の顔も三度まで』ってね。
「マーガレット殿下、ドレスの新調はされませんか? 宜しければ俺が贈りますよ?」と言うと大喜びで新調する事になったのだが、生地選びが終わらない終わらない・・・。
これは失敗したのだろうか?
「何れがに合うか?と問われても」何れを着ても美少女なんだからソコソコイケるだろうし、投げ遣りな返事をすると期限を損ねるしで非常に難しい攻防が其処には在った。
何とか生地は決まってホットしたのは開始から5時間後の事であった。
今まで良く知らなかったが、女性の買い物?には極力くちを出さない立ち回りが必要と思ったのだった。
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